日本サッカーをどのような方向に導きたいのか? ピラミッドの頂点で行われる謎人事
解任や更迭ではなくこれは辞任だ。では関塚氏は、いったいなぜ辞任したのか。来年3月からW杯予選が始まるというこのタイミングで、だ。
加えて解せないのは、辞任の発表はあっても後任の発表がないことだ。上で紹介した反町技術委員長の説明に従うならば、ナショナルチームダイレクターなる役職の仕事内容は多岐にわたる。代表強化に欠かすことができない重要な役職だ。それが関塚氏の辞任劇で、いま空白になっているわけだ。
ナショナルチームダイレクターが、どうしても必要な役職には見えてこないのである。もともと存在しなかった役職で、これまで技術委員長がこなしてきた仕事内容だ。あえて、新たな役職を設ける理由は何なのか。その説明はないままだ。
技術委員長の仕事内容は、育成を含め、多岐にわたるとはいえ、最も解りやすい、失敗できない仕事は、代表監督の招聘であり、そのサポートであり、見極めだ。まさにナショナルチームダイレクターの仕事内容である。
代表チームの成績に対する責任者は、いったいどちらなのか。反町氏なのか、関塚氏なのか。やはり、ナショナルチームダイレクターではなく、技術委員長なのだ。反町氏が協会に入った時点で、実質的に責任者は入れ替わっていた。技術委員長からナショナルチームダイレクターへの転身は「降格」を意味していた。解任と言えば波風が立つので、新たなポストを設け、その座に座ってもらうことにしたが、関塚氏は、さすがにいたたまれなくなり、その9か月後、辞表を提出した。
これが顛末だと思う。
技術委員長の交代は、代表監督の交代に迫る改革だ。関塚氏から反町氏への交代は、説明が不可欠な大きな出来事だった。しかし、ナショナルチームダイレクターなる新たな役職を設けることで、波風が立つことなく事態はなかったように推移することとなった。
サッカー協会は選手から徴収した登録料を財源にしている組織だ。その選手たちの究極の目標は日本代表。どうしたら日本代表になれるか。その日を夢見ながら、多くの選手が日々、練習に励んでいる。協会が示すべきはその指針で、技術委員長はその責任者にあたる。その責任者が、知らないうちに交代していた……は、本来あってはいけない話だ。
日本サッカーをどのような方向に導きたいのか。代表監督にはどんなサッカーを望むのか。関塚氏は積極的に語ろうとしなかった。物足りなさを感じたが、反町氏はどうなのか。より解りやすい説明が求められている。
外部サイト
関連情報(BiZ PAGE+)
スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。