「上司に残業を申告するな」と言われて……

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「新しい働き方」として定着しつつあるテレワークについて、71.2%の人が「テレワーク中に仕事とプライベートの区別がつかなくなることがあった」と答えていることが、日本労働組合総連合会(連合)の調査でわかった。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テレワークを導入する職場が急増するなか、在宅では通常勤務に比べてオンとオフがあやふやになったり、残業代や諸経費などが気になったりすることで、不安を感じる人が少なくないようだ。

7割超のテレワーカーが困った!? オンとオフの区別

連合の調査によると、「今年4月以降に、どのくらいの頻度でテレワークを行っていたか」を聞いたところ、「毎日」と答えた人は全体の26.2%で、「勤務日の7〜8割」の人が25.9%、「5割」は20.8%だった。

テレワークが「5割以上」だった人の割合を合計すると、全体の72.7%にのぼることがわかった。「2〜3割」は17.2%で、「それ以下」は10.1%だった。

テレワーク勤務中の体験について聞くと、全体の71.2%が「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」と回答。次いで53.6%の人が「休憩時間をきちんととれないことがあった」と答え、「出勤するよりも長時間労働になることがあった」という人も51.5%いた。

1人で仕事を進めるテレワークは、通常勤務のようにメリハリをうまくつけられなかった人が多いようだ。ほかにも「深夜の時間帯(午後10時〜午前5時)に仕事をすることがあった」(32.4%)や、「勤務時間外に仕事に関する連絡を取ることがあった」(55.9%)などの回答があった。「テレワーク勤務になったことを理由に給料が下がった」と答えた人も、29.0%いた。

「申告したのに認めてもらえなかった」人は半数超える

次に、テレワークでの「残業代支払いの対象となる時間外・休日労働」について聞くと、「よくあった」と回答した人は6.8%、「ときどきあった」は18.9%、「まれにあった」は12.4%。合計すると38.1%で、4割近くが時間外や休日労働が「あった」と答えた。

とくに若年層(18〜29歳)は51.6%と半数を超えており、若い世代ほど時間外に働いた割合が高い傾向がみられた。

時間外・休日に働いた人(381人)に、「働いたのに、申告しないことがあったか」を聞くと、「まれにあった」が23.6%、「ときどきあった」は30.2%、「よくあった」は11.3%と、合計すると65.1%が、残業したのに申告しないことが「あった」と答えた。

申告しなかった人(248人)に、その理由を聞くと、「申告しづらい雰囲気だから」(26.6%)、「時間管理がされていないから」(25.8%)が高く、「しなくてもいいと思ったから」(12.1%)、「上司に報告するなと言われた」(11.7%)、「残業代に限度がある」(10.1%)などが挙がった。

「申告したのに勤務先に認めてもらえないことがあった」という人も、56.4%にのぼった。時間外や休日に働いても、テレワークの場合は本人が申告しなかったり、申告しても認められなかったりするケースが少なくないことがわかった。

また、在宅勤務での費用も、私物のパソコンや携帯電話を使うケースを含め、無線LANや通信費用、テレワークに利用した場所の使用料や機器レンタル料などの多くが自己負担でまかなっていた人が多かった。

80%超が「今後もテレワークを希望」

さらに、テレワーク中の生活について調べると、「家族の会話が増えた」と答えた人が全体の29.5%で最も高く、「プライベートが充実した」(25.4%)のほか、「趣味の時間が増えた」(20.4%)、「家事の分担が進んだ」(12.3%)などの、比較的前向きにとらえられる声が多くあった。

とくに、若年層(18〜29歳)はゆとりの時間を確保できた人が多いようで、「プライベート」(34.4%)や「趣味」(28.8%)の項目が、ほかの年代よりも高かった。

その一方、「家族のちょっとしたことでイライラするようになった」(9.9%)という声もあり、テレワークで家族関係がうまく保てなくなった人もいたようだ。

ただ、そうした中でも81.9%の人が「今後もテレワークを希望する」と答え、「希望しない」の18.2%を大きく上回った。とくに30代女性は「希望する」の割合が89.6%と9割近かった。

なお、調査は連合が2020年6月5日〜9日の5日間、今年4月以降にテレワークを行った全国の18歳〜65歳の男女(会社員・公務員・団体職員・パート・アルバイト)1000人を対象に、インターネットで実施した。2020年6月30日の発表。