新型コロナウイルスに感染した札幌市の女性が、発症の初期に食べ物の味や化粧品のにおいが分からなくなり、この状態が数日間、続いていたことを明らかにした。WHO=世界保健機関は、各国からも同じような報告が相次いでいるとしていて、初期の症状の1つなのか、調査を進めている。NHKニュースが報じた。

札幌市の20代の女性は、3月5日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、市内の病院に入院して治療を受けたあと、24日に退院した。

自宅でNHKの電話インタビューに応じた女性は、発症の初期について振り返り、4日ごろ、軽いせきの症状とともに、「何を食べてもあまり味がしないし、香水やシャンプーのにおいもわからなくなっていた」と述べて、味覚や嗅覚に異常がおきていたことを明らかにした。

女性は翌日、検査で感染がわかり、7日には、37度5分を超える熱などの症状が出るようになったが、味覚や嗅覚の異常は10日間ほど続いたとしている。

入院中の状況について、女性は、「口の中にみそ汁や肉料理を入れても、味が何もせず、食感だけという状況だった」と振り返り、医師や看護師にも味覚などの異常を説明したとのこと。

女性によると、女性の80代の父親と、知人の20代の女性も、新型コロナウイルスの感染者で、2人はともに女性に対し、発症の初期に食べ物の味やにおいが分からなくなったと話しているという

新型コロナウイルスに感染した20代の女性は、味とにおいが分からなくなる状態になったことについて、回復して退院するまで、異常なことだとは思わなかったと話している。

女性は「当時は注意するよう言われていなかった症状だったので、自分だけではという思いがあった。ただ、最近の報道で、ほかにも同じような状態を訴える感染者がいると聞くと、これは、もしかして私だけじゃなくて感染した人の症状の1つなのかなと思うようになった」と述べた。

そのうえで、女性は、みずからの経験を明かした理由について「自分の症状について話すのは勇気が必要でしたが、伝えたほうが、これからの役に立つと思いました」と話している。

日本耳鼻咽喉科学会は、NHKの取材に対し、「海外で、味覚や嗅覚がきかなくなった感染者がいるという報告があることは承知しているが、日本では、まだ症例が少なく、新型コロナウイルスとの関連があるかどうか、学会として判断することはできていない」とコメントしている。・「味とにおいわからず」新型コロナウイルス感染者が語る(NHKニュース)