ソニン 撮影/高梨俊浩

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「あきらめるも何も、“私はまだ何も残してないじゃん!”って思ったんです。やることをすべてやって無理だったならわかるんですけど、そこで辞めたら絶対、後悔しか残らないだろうなと。

【写真】爽やかな衣装を身に纏ってほほえむソニン

 後悔したまま“第2の人生”を歩むなんて、自分の性格では絶対に許せない選択肢でした」

“ミュージカル、合ってるよね”

 かつてEE JUMPのメインボーカルとして活躍していたソニン。バラエティーにも出演し、過酷なロケに挑戦するなど一時はメンタルがボロボロになったことも。

 そんな紆余曲折を経て、舞台を中心に活動の場を移した彼女。才能を開花させたソニンは今、本格派女優としてステージに立ち続けている。

「“女優”と言われても、今もしっくりこないです(笑)。初めて出演したのは'07年の『スウィーニー・トッド』という作品。

 尊敬する大竹しのぶさんが出ると聞いて、オーディションを受けたのがきっかけでした。そのとき、自分ではよくわからなかったんですが、周りから“ミュージカル、合ってるよね”ってすごく言っていただいたんです」

生きていてよかったと思う瞬間は

 回数を重ねるごとに“役を生きる”という感覚も。

「だんだん“生の魅力”というものに気づき始めていって。翌年、出演した『ミス・サイゴン』で、自分の中で何かが確実に変わりました。

 クライマックスの自害するシーンで、ある日の公演ですべてがうまくいって、“このまま死んでもいいや”って思えたんです。ここ(ミュージカル界)が、私の居場所なんだと気づいた瞬間でもありました」

 その後、'12年には芸能活動を休止して、NYへの留学も経験した。

「1年半も日本にいなかったので、存在を忘れられてる可能性もあるなと(笑)。だから、帰国したときは不安もあったし、“NYで(芝居の)勉強してきたんでしょう?”って目で見られているプレッシャーもありました。

 何かオーディションに受かってショーにも出れていたらいいんですが、実際は地道に学校に行って、勉強をして、成果も出せないまま毎日のように泣いて。

 でも日本に戻って芝居をしたとき、周りが私の変化に気づいてくれて。その反応を見て、経験はムダではなかったんだなと、そう思えました」

 その後も女優として高い評価を受け、菊田一夫演劇賞(演劇賞)、読売演劇大賞(優秀女優賞)など名だたる賞も受賞。

「今でも自信はないですし、悩むこともたくさんあります。お芝居には正解がないので。でも、やっぱり生でお客さんの反応が返ってくるというのはうれしいんです。

 生きていてよかった、とさえ思う。ステージは、生きる価値があると思わせてくれる場所です」

 最後に“今、幸せですか?”と尋ねると、

「毎日、舞台に立てて幸せです。目の前のお客さんが充実した顔で帰っていくのを見ると、人のためになれてるんだなって。それが、今いちばんの幸せです」

 と笑顔を見せたソニン。今後もステージで輝き続ける彼女の姿に、注目したい。

出演舞台2大こぼれ話

同性ならではの……

「今回出演させていただくミュージカル『FACTORYGIRLS〜私が描く物語〜』は、女性が中心のストーリーです。女性にしか酌み取れない気持ちや表現できないことがあるので、そういったことを大切に演じたいです。

 日本のミュージカルで女性がメインのお話って、まだまだ少ない。だから今後に影響を与える作品になるんじゃないかなと確信しています」

柚希礼音とタッグ!

「柚希さんは、エネルギッシュですごくカッコいいんです! でも舞台を下りたらめちゃくちゃ可愛らしいので、もうキュンキュンしちゃって(笑)。

 柚希さんは“(身体の)メンテナンスの鬼”と呼ばれているんですが、そこは私も同じ。みんなでいいものを届けられたらと思います」

(撮影/高梨俊浩 スタイリスト/Die-co★ ヘアメイク/石田絵里子(エアーノーツ) 衣装協力/masaco teranishi、スリーフォータイム、NACH)

《INFORMATION》
A New Musical『FACTORY GIRLS〜私が描く物語〜』

ブロードウェイの新進気鋭の作曲家コンビと日本のクリエイティブ・チームが共作した新作ロックミュージカル。舞台は19世紀半ばのアメリカ・ローウェル。女性の権利を求めて労働争議を率いるサラ(柚希礼音)と、そんな彼女と固い友情を結ぶハリエット(ソニン)をはじめ、権利・自由を求めて立ち上がった女性たちの姿を描き出す http://musical-fg.com/