あくまで「1部リーグでのプレー機会」にこだわった久保。マドリー側は引き留めたかったようだが……。(C)Getty Images

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 レアル・マドリーからマジョルカへの期限付き移籍が決まった久保建英。期間は1年間で、買い取りオプションは付いていない。スペイン全国紙『MARCA』は「あのままでは(マドリーは)同じ過ちを繰り返すだけだった」と論じ、今回の久保の決断を称えている。
 
 トップチームを率いるジネディーヌ・ジダン監督と、カスティージャ(Bチーム)の指揮を執るラウール・ゴンサレス監督の間で、久保に関するビジョンは一致していたという。つまり、リーグ戦などの公式戦はカスティージャが属するセグンダB(3部リーグ)で出場させ、普段のトレーニングは世界有数のタレント力を誇るトップチームで積ませるというものだ。
 
 これに対して同紙は、「テーブルの上にはあらゆるカード(選択肢)が置かれていた。クボはそれらをよく吟味し、自分にとってなにが最適かを考えたのだ。カスティージャでもロナウド(会長)のバジャドリーでもなく、ビセンテ・モレーノ(監督)のマジョルカに決めたのである」と説明。さらに「カスティージャでいったいなにが得られるのか。(マルティン・)ウーデゴーは最初の2年間をカスティージャで過ごし、58試合に出場したが、なんらマドリーにもたらさなかった。昨シーズンのヴィニシウス(・ジュニオール)も然りだ。クボがマジョルカ移籍を決めたのは当然の判断だろう」と言い切る。
 
 16歳でマドリーに鳴り物入りの入団を果たしたウーデゴーは、超逸材と謳われた近未来のスター候補。だがトップチームでの出場はわずか1試合で、過去2シーズンはオランダのヘーレンフェーンとフィテッセにレンタルで出され、20歳となった今季もローン契約でレアル・ソシエダに籍を置く。

 
 そして日曜日には、そのノルウェーの至宝と久保が同じピッチに立つかもしれない。ラ・リーガ第2節でマジョルカが本拠地ソン・モイクスにソシエダを迎えるからだ。『MARCA』紙は「マドリーは彼らふたりの未来が輝かしいものになると信じているだろう。だからこそこの一戦を注視するはずだ」との一文でレポートを締めくくっている。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部