空き家が「物置き」になる! 新しいシェアサービス「モノオク」のビジネスチャンスでアジアを目指す

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「モノオク」とは、個人間で「物置き」をシェアする新しいサービスだ。

今、社会で問題となりつつあるのが「空き家問題」である。
現在820万戸の空き家があり、空き家率は13.5%にも達しているという。

空き家を再利用しようというビジネスやサービスの話やニュースを耳にすることがある。
しかし、空き家の再利用には、
・修繕費や改修費費用がかかる
・借り手が見つからない
など、課題や費用負担も多く、思うようにうまくいかないのが現状だ。

「モノオク」は、この空き家を「物置き」としてシェアすることによって問題を解決しようというわけだ。


■物置きのシェアリングエコノミーサービス
「モノオク」は
・「荷物の置き場所に困っている人」

・「余ったスペースを活用したい人」
この2つの需要をつなぐ、シェアサービスだ。

利用シーンとしては、
・引っ越し
・リフォーム
・出張
・転勤
・留学
など、トランクルームを使う間隔で気軽に荷物を預ける、今までにないサービスだ。

さて、そんな「モノオク」の使い方だが、

・「モノオク」の公式サイト(https://monooq.com/)にアクセスする
・検索欄に荷物を置く場所を入力
・検索を実行する


検索結果が表示されたら、借りたい物件を選択する。


物件を選択すると、場所が地図上で表示される。


料金や物件の詳細情報などから
スペースや荷物の受け取り方法などを確認する。


問題なければ、「相談する」ボタンを押す。


ログイン後、画面の指示に従って手続きを行えば完了だ。

初めて利用する場合は、ユーザー登録が必要となる。
Facebookのアカウントでの登録も可能だ。


■「モノオク」立ち上げまでの道のりと思いとは?
「モノオク」は、「物置き」をシェアするという、ちょっと変わったサービスだ。

どうして「モノオク」を立ち上げたのだろう?
モノオク株式会社代表取締役社長・阿部祐一氏に話を聞いた。

記者:「モノオク」ですが、どうして始めようと思いついたのでしょうか?

阿部社長:もともと私は自宅を使って民泊をやっておりました。たまたま知り合いに「電話を預かってくれ。」と言われて、それを預かったのがきっかけです。意外に物を気軽に預けられる場所がないのだということに気づいて「モノオク」を着想しました。

記者:「モノオク」をどうやって立ち上げなのでしょうか?

阿部社長:実際、そういう需要があるかどうかというのが重要だったので、テストから始めました。まずは、預かっていい人がいるかをヒアリングや、本当に空いている場所に預けたい人がいるのかを、テストしながらやっていきました。
具体的なテストの方法としては、自宅の押し入れの写真をとって、
「ここの押し入れを使いたい人はいますか?」と掲示板で募集しました。
すると
「内見したいです」
「使わせてください」
という反応がすぐにあって、「これは需要がある」と確信しました。

記者:利用者の反応はどのようなものでした?

阿部社長:「すごく助かります」「安いところを探していたんです」などと言っていただけました。

記者:ほかにはないサービスの「モノオク」だけに、公式サイトはどのような点を気にして作られたのでしょうか?

阿部社長:エンジニアにお願いをして、徐々に必要な要素を盛り込んでいきました。どういう項目が必要なのか、そういうところを洗い出して、検索して場所がわかるようにしたいとか、ひとつずつ作っていってローンチしていきました。

記者:「モノオク」は、配送をPickGoと提携されているんですね。

阿部社長:はい。やはりどうしても配送の部分で煩わしさが出てしまうと思いました。
CtoCの配送サービスであるPickGoと連携させていただくことで利便性が高まると思ったので、提携をお願いしました。

記者:サービスを作るうえで、大変だったことは?

阿部社長:テストを行っていた際にすぐに反応があったのは楽でした。
ただ私の中では確信があったんですけど、構想を考えていたときに「それはうまくいくの?」とか周囲からも言われることが多くて、それはけっこう辛かったですね。

記者:逆に、一番楽しかったことは?

阿部社長:「モノオク」はシェアリングエコノミーのサービスなので、コミュニティーが生まれやすいサービスなんです。
実際にコミュニケーションというものが、預ける方と預けられる方との間でできていくのを目の当たりにしたのが、私にとっては楽しくて嬉しかったことです。

記者:「モノオク」での、こだわりを教えていただけますか?

阿部社長:「見積もり」という機能があります。これがどういうものかというと、どれくらいの荷物を預けられるかで、当然料金が変わってきます。
ユーザーとホストとの間で、以前は料金の折り合いがつかないということも起きていました。どれくらいの料金にするのか、実際の荷物を見なければわからないというところもあります。
そこで最近、料金の折り合いがつけやすい機能を実装しました。そこはかなりこだわってやったところです。

記者:「モノオク」サービスの立ち上げで思い出深いことはありますか?

阿部社長:先ほどのコミュニケーションが生まれたところが、私の思い出深いところです。
それ以外としては、初めて「モノオク」で荷物を預かった方とマッチングができたところが非常に思い出深いエピソードですね。
最初の成約というのはすごく時間がかかるものなので、そこがサービスとして成約できたのは、良かったと思っています。

記者:「モノオク」サービスを開始してからのまわりの反応はいかがですか?

阿部社長:「面白いサービスをしている」とは、よく言われますね。
変わったモデルですし、まだ日本にはほかにないサービスなので。そういう意味でよい反応をいただきます。
空き家の話につながるんですけど、空き家とはベストマッチのサービスだと思っていて、いろいろとご反応いただくことが多いです。


■「モノオク」では、民泊と異なり物件の古さの影響を受けないのがメリット


モノオク株式会社代表取締役社長・阿部祐一氏

記者:「モノオク」では、古いアパートなど物件の古さは影響あるのでしょうか?

阿部社長:民泊で「空き家を活用します」という話はよく聞きます。
ただ、実際に利用できるのは10件あって1件あればいい方です。
人が入るのが前提ですからね。でも、物置であれば、場所はとくに関係ないので、貸しやすいです。

記者:賃貸物件の場合、又貸しとかにはならないのでしょうか?

阿部社長:もちろん賃貸であればそういうことはあり得ますが、賃貸以外であれば問題ないです。
アパートを賃貸契約している場合は、又貸しとなる可能性はあり得ます。
どういった契約かにも寄りますし、そうした部はシェアリングエコノミーが、まだ追い付いていない部分でもあります。
その追い付いていない部分に関しては行政といろいろお話しさせていただきたいと思っています。


■預けた荷物の補償や安全性の確認にも配慮を
記者:荷物の補償もされていますが、どのようなものなのでしょうか?

阿部社長:そうですね。どのように対応するかですが、ひとつの荷物で最大10万円までの補償があります。
もし荷物を破損したり、紛失してしまったりしても、保険でカバーされます。

記者:「モノを預けた、預かっていない」といったトラブルはないのでしょうか?

阿部社長:今後、そういうトラブルも出てくるとは思いますが、あらかじめ預ける物の写真をメッセージ上でお送りいただくようにしており、こちら側でフォローを全力でさせていただいています。
あとはレビュー制度で、預ける先の評価をして信頼できる預け先を確保する仕組みをとっています。


記者:荷物を預けるときは、荷物の中身まで確認はされているのでしょうか?

阿部社長:荷物の中身までは確認、写真は撮りません。「こういう荷物を預けます」というアバウトな感じです。

記者:危険な物とか、違法な物を預ける人への対応はなにか用意されているのですが?

阿部社長:「モノオク」では、原則、いろいろな物を規制しております。
たとえば、
生ものはダメであるとか、爆発物とかの危険物とかはNGとなっています。
将来的には、危ない物を預けたという場合も出てくると思いますが、電話番号の本人確認を今年中に導入するなど、きちんと追えるような仕組みを整えることにも、力を入れているところです。


■「モノオク」サービスはまだスタートしたばかり、日々改善を


サービスについて語る阿部氏

記者:「モノオク」サービスの現状を教えてくださいますか?

阿部社長:先月の頭にリニューアルが実施されまして、そこからスペースの登録が増えました。サイトは、もともとは緑を基調としていましたが、大幅にリニューアルして現在の赤を基調とした仕様となりました。成約がまだまだなので、そこに力を入れているところです。

記者:現在、「モノオク」は、どれくらいの方が利用されているのでしょうか?

阿部社長:まだまだですね。全体としてスペースの1割ないのかなという感じです。
先月のリニューアルで、急激にスペースの登録が増えたというのもありますので、しばらく成約のほうに注力して、バランスよくしていこうと思っています。

記者:ちなみに今、ホストの数はどれくらいですか?

阿部社長:今、850近くですね。だいたい半分くらいが都内です。リニューアル前の4月の頭で約400スペースあったんですね。それが一気にひと月足らずで倍になっているので、急激に伸びたという感じです。

記者:現在のユーザー数はどのくらいでしょうか?

阿部社長:今、実際に借りた方が50名くらいです。ユーザーとしての登録している方はホストと合わせて2500名くらいです。借りようと思って登録して、借りたい場所がなかったという人もいるので、重きを置くのはやはり成約数です。

記者:「モノオク」サービスは、現在は都内中心ですか?

阿部社長:そうですね。とくに絞っているわけではありませんが、やはり都内は情報感度も高いので。


■「モノオク」サービスの現在の状況と今度の展開 アジアは視野に

記者:荷物の出し入れをしたい場合、利用者間でのトラブルの可能性は?

阿部社長:頻繁に出し入れする物があるか、否かでも異なります。
ただ、今後、空き家を活用して無人で出入りできる仕組みも整えようと考えています。
そちらができれば利便性も上がり、利用者間のトラブルも回避できるのかなと思っています。

セキュリティーの仕組みは、どう整えるかが非常に重要になってきます。
誰がその場所を使っているのかが誰でも見られるようになれば、セキュリティーは確保できるのではないかと思っています。

阿部社長:カメラを設置するのもひとつの方法だと思っています。
ただ私としてはコミュニティーを作っていきたいと思っていて、過度なセキュリティーシステムや環境は、人と人とのコミュニケーションを阻害するものだと思っています。
やはりシェアリングエコノミーのような基本的に人の善意に頼るサービスでは、セキュリティーは最小限で済むような仕組みを整えていきたいと思っています。

記者:今後の展開として、日本で成功したら、海外でも展開を考えていらっしゃいますか?

阿部社長:そうですね。アジア展開はできると考えています。
ただ世界中に広められるかと考えた場合、文化的な違いもあると思っています。
たとえば、
アメリカであれば、同じようなサービスはすでにあります。それはガレージを貸し出すサービスです。
基本的に海外はガレージに物を置くので、文化的な違いが出ていると思っています。
文化的に近いアジア圏であれば、すごく相性は良いと思います。
ITライフハック 関口哲司