複数の稀な疾患を持つミカ・ガブリエル・マッソン・ロペス君(画像は『Oddity Central 2017年12月8日付「The Curious Case of a Child Who Can’t Eat Anything But Peaches」(Photo: Caroline Masson/GoFundMe)』のスクリーンショット)

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「好き嫌いが多い」とはよく聞く言葉であるが、たった1つのものしか食べられない、ほかのものを食べたらアウトという極めて深刻な食物アレルギーを示す患者がいることをご存知であろうか。2歳になったばかりだというその男の子は、なんと桃しか食べられないそうだ。『Oddity Central』などが伝えている。

カナダのモントリオールに両親、兄弟2人とともに暮らすミカ・ガブリエル・マッソン・ロペス君。非常にレアなケースではあるが、この子は桃だけを食べて生きている。理由は「好酸球性消化管疾患(=新生児-乳児食物タンパク誘発胃腸炎 以下FPIES)」。生後6か月の時にひどい食物アレルギー症状を示してこの病気と診断され、検査によりあれもダメ、これもダメと判明したことで桃以外は食べられなくなってしまった。

FPIESばかりではない。ミカ君は副甲状腺低形成による低カルシウム血症、胸腺低形成などを特徴とする「DiGeorge症候群」と「15q13.3 微細欠失症候群」というきわめて稀な遺伝子疾患に苦しんでおり、それぞれの病の権威である9名の医師のもとで毎月定期的に受診している。両親は多くの時間をミカ君の通院に割いており、医療費の負担も相当な上に、オフシーズンにもオーガニック栽培のフレッシュな桃を高値で取り寄せている。農薬や添加物が使用された缶詰や瓶詰の桃は禁じられているためだ。なんとかしなければならない両親はクラウドファンディングの存在を知り、母親のキャロライン・マッソンさんはこれまでの苦労を『GoFundMe』にこう綴り、人々に救いの手を求めている。

「ミカが初めて食べたものはバナナでした。その4時間後に6回にわたり嘔吐し、顔色が失せて青白くなっていきました。小さな体がショックを起こす様子を目の当たりにした時は気が動転し、なす術もない私は911番通報しましたが、緊急通報指令室の皆さんは“FPIESがどんな病気なのか知りません”と言うのです。私はもうミカを抱いて夜通し泣きました。」

「ミカは誰に対しても愛らしい態度をみせる本当に素晴らしい子です。なんとか普通の人生を歩ませてあげたいものですが、簡単なことではないようです。それでも希望を捨てず私たちは他にも安全に食べられるものはないか探しています。ウサギの肉汁を試してなんとなく良い感触をつかみましたが、まだ1日の許容量はティースプーン半分。これではまったく栄養が足りていません。」

2つないし3つの食品にアレルギーを持つという子どもの場合、4歳になると少しずつ改善されていくことがある。だがFPIESの治療法は確立されておらず、27種類もの食品にアレルギーを持つばかりか胃腸のトラブルが命取りになる危険性もあるミカ君のケースでは、改善や克服といった希望的観測を立てることは難しいそうだ。

2018年10月までは健康保険の適用対象としてリキッド状の特殊栄養食品の処方を望むことも可能だというが、乳製品にアレルギーを示しているためそれには再び詳しい検査が必要になる。先の感謝祭にも間もなくのクリスマスにも、この家庭のテーブルにどんなにご馳走が並ぼうともミカ君が桃以外のものを食することは叶わない。一日も早くこの病気から解放され、ミカ君の食生活が少しでも豊かになることを祈りたい。画像は『Oddity Central 2017年12月8日付「The Curious Case of a Child Who Can’t Eat Anything But Peaches」(Photo: Caroline Masson/GoFundMe)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)