野村周平「僕らが小栗 旬さんの世代を超えていく!」 クールな新世代から飛び出した下克上宣言
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人生初の刑事役に挑戦「ついに来たか…」
――『ミュージアム』は人気漫画を原作にした作品ですね。カエルのマスクを被った謎の男によって引き起こされる猟奇的な連続殺人事件をめぐり、衝撃的な真実が明かされていきます。野村さんは、小栗さん演じる主人公の刑事・沢村の後輩の西野を演じられています。
最初にお話をいただいたときは、まずこんなに大きな規模の作品に出演できるという喜びがありました。西野に関しては、どちらかというと、やりやすそうかなと。
――やりやすい?
外見的にも原作とものすごく遠いわけではないし、自分を役に近づけていく作業が決して難しいわけではないなという印象でした。実際の役作りとしては、刑事ってどういうものなのかを調べて、あとはきちんとセリフを自分の中に入れて、現場に立ったという感じですね。
(※一部過激な表現あり)
――刑事を演じるのは…?
初めてです。
――男として、刑事役に憧れは持っていませんでしたか?
「ついに来たか…」という感慨はありましたね。ただ、実際に演じてみると、ものすごく出演シーンが多いわけではないのに、刑事ってこんなに難しい専門用語をいっぱい言わないといけないのか! と驚きました(笑)。
――メガホンを握ったのは、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督ですね。
じっくり、撮影する監督だと伺っていたんですが、実際に撮影に臨むと、役者の気持ちを第一に考え、こちらの感情に沿って撮影してくださる素晴らしい監督だなと思いました。
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――大友組に参加された役者さんはみなさん「“俳優第一”の監督」「俳優の感情を大事にしてくれる」とおっしゃいますね。具体的に、どういうふうに撮影が進められ、そのように感じるのでしょうか?
僕らは、ただ芝居をやるだけで、それを監督が長回しで撮影し、あとで切り取ってくださるという感じですね。なので、ひとつのシーンを細かく区切られることなく、長い芝居を何度も繰り返していくんです。
――その長い、いくつもの素材をあとから、監督が編集で切ったりつなげたりする?
そういう感じです。なので、現場で感情が途切れたり、もう一度、気持ちを作り直したりということがほとんどなかったです。そのぶん、長い芝居を何度もしなくてはいけない大変さはあるけど、決して苦ではなかったです。
――劇中では、犯人の“カエル男”を走って追いかけるなど、アクションシーンもありましたね。
そういう動きの激しいシーンは、何度も撮るのではなく、逆に一発勝負でズバッと撮ってくださるんです。もちろん、ミスやNGがあれば撮り直しますが、それ以外は基本、一回きり。そういう部分もすごく、やりやすかったです。
――以前、お話を伺った際に、ご自身が俳優をやることの面白さについて「きれいな映像の中で自分が呼吸しているということが楽しい」とおっしゃっていました。その意味で、大友監督の独特の映像世界の中で生きるという経験はいかがでしたか?
やはり、ちゃんと自分が映画の中の世界で“生きている”ことを感じました。あの『ミュージアム』の世界の中でしっかりと生かしていただき、監督には「ありがとうございます!」という思いですね。
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小栗 旬&妻夫木 聡 先輩との共演に何を思う?
――共演シーンが最も長かったのは、刑事としてコンビを組んだ小栗さんですね。“相棒”という形で共演されていかがでしたか?
小栗さんは、ひとりの俳優として、やはり素晴らしい方だなと実感しました。ストイックで、ミスをしないんです。そこはスゴいなと思いました。
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――そして、犯人の“カエル男”を演じたのが、妻夫木さん。野村さんも共演シーンがありますが、最初に、妻夫木さんがあの衝撃的なビジュアルのカエル男を演じると聞いたときの印象は?
いや、もうびっくり! でもぴったりだなと思いました。共演シーンを思い浮かべたとき、安心感しかなかったですね。
――実際に、共演してみていかがでしたか?
以前にもドラマ『若者たち2014』(フジテレビ系)で共演経験はあったので「またご一緒できる! しかも全然違う役で」という思いでした。妻夫木さんとのシーンが終わるときは、「あぁ、これで妻夫木さんとのシーンはおしまいか」って寂しくなりましたが、この役の妻夫木さんを間近で見られるのはすごくうれしかったし、いい経験でした。
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――小栗さんや妻夫木さんの世代は、間違いなくいまの日本のエンタテイメント界を中心で引っ張っている世代です。
“豊富な”“豊作の”と言われ続けてきた世代ですよね。やはりそれは事実だし、超えていかないといけない存在だと思います。
――野村さんの世代も同様に“豊作”と言われますね。
やはり、時代は変わろうとしているのかもしれません。僕らの世代が小栗さん、妻夫木さんの世代に代わる世代になれればと思います。
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――野村さん自身、ご自分の世代の同年代の俳優たちに対してはどんな思いを持ってらっしゃるんでしょうか?
「一緒に頑張りましょう」という意識が強いですかね…。あまりライバル意識や「負けたくない!」という気持ちもないんですよね(笑)。
――そこは以前から変わらないんですね。いまや、映画やドラマのほとんどの作品で、野村さんを含め、この世代の人気俳優の誰かが一角を占めているという状況です。
たまたま(人気俳優が)多い年代ってだけなんじゃないかと思っているんですけどね(笑)。ただ、ここからが俳優として勝負というか、この先、生き残れるかどうかの戦いだなとも思います。「頑張ります」としか言えないですが…。
――この先、生き残っていく自信は?
なきにしもあらず…ですかね? でも、調子に乗って一歩、足を踏み外すと、谷底へ急降下してしまうと思うので、気を引き締めてやっていきたいです。
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命がけでプライベートを楽しみ尽くせ!!
――これだけいろんな作品に求められている状況ですが、他の誰にもない、自分だけの俳優としての強みはどんな部分だと思いますか?
強みは…「これ!」とはっきりと言葉にできるものじゃないと思うんですよね。なかなか誰にもわかってもらえないだろうな…と。自分ではわかっているつもりなのかな…? どうなんだろう? 難しいところですね。「命がけでプライベートを楽しむ」という部分ですかね。
――命がけ? しかも仕事ではなくプライベートで!?
僕はやはり、俳優ってプライベートの生き方が響いてくる仕事であり、お芝居は人生経験だと思うんです。どれだけ外に出て、何を感じるか? 部屋の中に閉じこもっていたら感じられないこと、“生”でしか体感できないことがたくさんあるなと思います。
――以前から、プライベートでの趣味として、バイクやスケートボードなどをやってらっしゃいますね。
いま、一番ハマっているのはバイクですね。見ていて「カッコいいな」と思って自分でもやってみようと始めたんですが、案の定、ハマりました。
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――それだけハマる理由、その魅力は?
ひとりで自由に走り回れるところ。普段、どうしても仕事ではいろんな制約に縛られながらやっている部分が多いので、それが一気に解放される瞬間がたまらないですね。
――どこかで自分を「解放させたい!」という思いがあるんでしょうか?
ただ、そのために始めたわけじゃなく、たまたまそうやって解放できる趣味だったというだけなんですよね。結果的によかったなと思います。逆にみんな、ストレスをどうやって発散させてるのか、気になりますね(笑)。そもそも、「仕事のためにプライベートを充実させよう」と意識しているわけでもなく、自分が楽しんでやっていることですし。
――そうしたプライベートでの経験は、俳優という仕事や人生において、どんなふうに積み重なって、恩恵をもたらしていると思いますか?
“自信”ですかね。なかなか他人が簡単にできないことをやってるわけで、そりゃちょっとやそっとでは動じなくなりますよ。バイクに限らず、なかなか周りがやってないようなスポーツをやって、それはときに死と隣り合わせだったりしますから。
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先のことはわからない、毎日を頑張って生きるだけ
――言葉は悪いかもしれませんが、野村さんの言動からはある種の“ふてぶてしさ”――おそらく、この世界で生きる上で必要なのであろう自信を持っていることを感じます。
それは自覚してますね(笑)。あると思います。
――先ほどから伺っていると、プライベートでの活動で培われた部分も大きいようですが、そもそも、この世界に入ったときから「ここが自分の居場所だ」という覚悟や「やっていける」という自信のようなものは持ってましたか?
「この世界でやっていくぞ」という決意というよりも、「頑張ってお金を稼ごう」――つまり、仕事として、プロとして俳優をやっていくんだという思いは持ってましたね。だからこそ、やるべきことはあいまいにせず、全部きちんとやるぞ! という意識ですかね。
――この先の、将来のビジョンはありますか?
まだ明日しか見えないですね。
――それはいまを生きるのに必死で? それともそもそも、先のことはあまり考えない流儀なんでしょうか?
毎日の生活で、未来が変わると信じてるんですよね。未来のことなんてわからないから、毎日を頑張って生きてみようという思いです。だから、あまり先のことを考えすぎずに、せいぜい明日を見て頑張ろうって感じかな。
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――先ほど、俳優を「仕事」とおっしゃってましたが、やはり職業としては特殊で、不安定な世界でもあると思います。安定を求めるなら、ほかに仕事はあったかと思いますが、それでもこの世界で生きていこうと思ったのは…?
天性の目立ちたがり屋なんですね(笑)。そんな男にはもってこいの仕事だと思います!
――命がけの趣味もそうですが、どこかでリスクに身を置いたり、ギリギリのところで勝負をかけるのが好きな性分なんでしょうか?
いや、そんなことないですよ!(苦笑) プライベートで生きるか死ぬかって経験してるので、仕事ではそこを求めてるわけでは…(笑)。そもそも、俳優の仕事って本当に人を殺したり、殺されたりするわけじゃないですし。いや、でもどこかで現場でもそういうのを求めてるのかな…?
――自然と生き方そのものが、そっちを向いているのかも…。無意識というところが逆に怖いですが…(笑)。
ギリギリを求めるギャンブラー気質(笑)。嫌いじゃないかもしれない(笑)。
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【プロフィール】
野村周平(のむら・しゅうへい)/1993年11月14日生まれ。兵庫県神戸市出身。AB型。2009年、アミューズ全国オーディションで3万人を超える応募者の中からグランプリを獲得し芸能界入り。2010年、俳優デビュー。NHKの連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、『35歳の高校生』(日本テレビ系)に、『恋仲』、『フラジャイル』、『好きな人がいること』(フジテレビ系)など話題のドラマに次々と出演。映画では『日々ロック』、『ビリギャル』などに出演しており、2016年だけで、『ミュージアム』に加え、『ライチ☆光クラブ』『ちはやふる 上の句・下の句』『森山中教習所』が公開された。主演を務める『サクラダリセット』が2017年春公開。
【Twitter】@n_o_m_u_r_a
【Instagram】@qs86_shuhei
野村周平(のむら・しゅうへい)/1993年11月14日生まれ。兵庫県神戸市出身。AB型。2009年、アミューズ全国オーディションで3万人を超える応募者の中からグランプリを獲得し芸能界入り。2010年、俳優デビュー。NHKの連続テレビ小説『梅ちゃん先生』、『35歳の高校生』(日本テレビ系)に、『恋仲』、『フラジャイル』、『好きな人がいること』(フジテレビ系)など話題のドラマに次々と出演。映画では『日々ロック』、『ビリギャル』などに出演しており、2016年だけで、『ミュージアム』に加え、『ライチ☆光クラブ』『ちはやふる 上の句・下の句』『森山中教習所』が公開された。主演を務める『サクラダリセット』が2017年春公開。
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■映画『ミュージアム』
11月12日(土)全国ロードショー!
http://wwws.warnerbros.co.jp/museum/
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2016年11月14日
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