フレッシャーズ編集部

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いくら残業をしても残業代が支払われない......サービス残業させられている......。残業代の未払いで困っていませんか? そのようなときに知っておきたいのが、未払いの残業代を取り戻す方法。労働審判という制度についてご紹介します。


■残業代未払いは違法行為ということを知っておこう

通常、残業をすればその分残業代が支払われるのがビジネスの常識です。しかし、実際には社会人のうち約5割強の人が残業代が支払われないサービス残業を行っているといわれています。実際に請求したにもかかわらず未払いになっているという場合だけでなく、残業を申告しづらいという会社の雰囲気があり残業をしても申告できないという例も多いようです。また、中には請求をしても支払いに応じない悪質な企業もあります。しかし、残業をしたにもかからわず残業代が支払われないというのは違法行為。そのような状態を救済するための制度があるので知っておきましょう。

■未払い残業代を取り戻す労働審判という制度

社員にサービス残業をさせる会社に、通常の方法で残業代を請求しても支払ってくれる可能性はほとんどありません。そのようなときに使いたいのが、2006年にスタートした労働審判という制度。この制度を利用すれば、個人でも未払いの残業代を取り戻せる可能性が高いのです。労働審判の方法は裁判よりも簡単で、解決まで数ケ月と迅速です。弁護士に依頼せず自分で申し立てを行うことも十分可能。労働審判手続申立書を作成し、残業したことを示す書類と申し立て手数料、郵便切手を用意して地方裁判所に申し立てます。申し立て手数料は請求金額によって異なり、10万円の請求で500円程度です。審理は労働審判官と労働審判員2名で構成された労働審判委員会で行われます。労働審判は労働に関する紛争解決のための制度で、通常3回以内で話し合いによる解決を目指すもの。調停や審判の内容には裁判の和解と同様の効力があるため、強制執行を申し立てることもできます。

■管理職でも残業代は請求できる?

残業代を支払いたくない会社側がよく使う手が「管理職」という役職名。実際には管理職としての権限もなく、仕事内容も変わらない「名ばかり管理職」が増えています。管理職には残業代が支払われず、その代わり「役職手当」というものが支払われますが、実際は長時間労働で収入もダウンするという例が後を絶ちません。管理職とはそもそも、監督や管理する地位にあり、経営者とともに労働条件や労務管理などの決定に関われる者。会社がいくら管理職と言っても、係長や主任、入社直後の店長などは、本当の意味での管理職とは言えません。「職務手当」と残業代も全く別物です。マクドナルド店長訴訟以降、飲食チェーンやコンビニチェーンなどでの残業代をめぐる訴訟が相次ぎました。もし違法と思える残業代未払いがあれば、たとえ役職名がついていても残業代の請求を考えてみるとよいでしょう。"

■まず残業をしたという証拠を集めよう

労働審判に申し立てを行うには、どれだけ残業をしたかという証拠が必要です。出社時間や退社時間、休日出勤などを細かく記録しておきましょう。証拠の収集は慎重に、正確に行います。タイムカードや労働時間が記録された日報などがあればコピーしておきましょう。そのような記録がない場合は、手帳へのメモだけでは証拠不十分となる場合もあります。そのような場合に合わせて利用したいのがメールなど。会社のパソコンから自分のプライベートなアドレス宛に退社時刻や業務内容、残業時間などを細かく記入して送るのがおすすめです。また、携帯電話から自宅あてに「これから退社します」という連絡を入れたり、メールを入れるのもよいでしょう。残業が上司の指示であればその旨を記載した残業指示書や承認書、業務内容や送信したメールの履歴なども有力な証拠になります。その他、雇用契約書や就業規則などにも目を通しておくことをおすすめします。

残業代未払いは法律違反ですが、何もしなければ誰かが是正して残業代が支払われるわけではありません。労働審判などの制度を利用すれば、未払い分を請求できるということを知っておきましょう。社会人になったら自分の身を守るためにも、労働に関する法律を学んでおく必要があるのではないでしょうか。