――念願の歌手デビューを果たしてみて、それまで思い描いていたイメージとのギャップを感じることはありますか?

西内:今まで、モデルのお仕事をしてた時は、如何に服を綺麗に見せるか、服に似合う人になるか。クールな服もあれば、ガーリーな服もあり、カジュアルな服もあって、全ての色に染まらなきゃいけない。自分らしくなくても、その服を着なきゃいけなかった。それが仕事だったので、そういうことに慣れてしまっていて。

女優としても、自分じゃない誰かを演じるじゃないですか。そういう生き方をしている人の勉強ばかりしていて、自分とは違う役を演じてきてたけど、歌手は“西内まりや”としてなので。自分は今どういうファッションが好きで、どういう人間性で、どういう歌を届けたいのか。自分をもっと知らなきゃいけないんだなって、この4ヶ月間ですごく自分と向き合うようになりました。

――今まで、モデルで着る服や、女優で演じる役によって世間から持たれていたイメージと、歌手・西内まりやのイメージとの間にギャップを感じることはありますか?

西内:メチャクチャありますね。言ってしまえば今、それが一番の悩みです(笑)。13歳からモデルのお仕事をしていて、ファション雑誌のモデルの代名詞って“カワイイ”とか女の子らしさが求められるので、髪も長かったですし、クルクルに巻いて、綺麗に、可愛く立っているお人形さんのような存在で。でも、自分は本当は駆け回るような活発な女の子で、運動が大好きでスポーツばかりしてたのに。カリスマ的な憧れの存在でいたいから、本当の自分を隠してきたんですよ。

「まりやちゃんみたいになりたい!」とか言われるほど、「本当は、そんなんじゃないのにー」と思いながらも「ありがとう、応援してね!」みたいに、お人形さんを作っちゃう。見てくださってる方の夢を壊しちゃいけないから、全然センスの無かった私が一生懸命、毎日色んなお店を回って、ファッションの流行を研究して。

そうしていく内に、本当にファッションが好きになって。今はリアルに「私はこれが好きだよ!」って言えるんですけど。本当は、お笑いも好きだし、感情がすごく表に出ちゃうし、そういう素の私をこれからは出していいのかな?と思っています。一方で、演技のお仕事もさせて頂いているので、あまり自分を出し過ぎちゃうと、役を演じた時に、矛盾に感じさせてしまうというか。

同じ芸能界でも違うことを求められているので、まだ自分の中でも迷いが…。今日は自分とは違う、内向的で繊細で、落ち込んだ女の子を演じていたのに、次の日にはライブで「ヘイ、ヘーイ!」とかやってるし、切り替えるスイッチが大事だなと感じますね。今回、ロックを歌った時に、ファンの方からは「意外!」「イメージに無かった」と言われました。