シンガーソングライターのニール・ヤング氏が設立したPonoMusicは、ミュージシャンがスタジオで作り上げたサウンドをそのまま伝えることをターゲットに開発したハイレゾ音源対応音楽プレイヤー「PonoPlayer」を発表し、この製品をクラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募集し始めたところ非常に多くの反響を得ることになり、日本円で4億円を越える出資が集まっています。音質を最優先したという機材が詰め込まれた三角形の特徴ある形状をしたプレイヤーと「PonoMusic.com」によってインターネット上で音楽を配信するサービスを通じて提供されるというシステムには、多くのミュージシャンからの熱い期待が寄せられています。

Pono Music - Where Your Soul Rediscovers Music by the PonoMusic Team - Kickstarter
https://www.kickstarter.com/projects/1003614822/ponomusic-where-your-soul-rediscovers-music


PonoPlayerの外観はこんな感じ。正面から見ると液晶パネルとシンプルな操作パネルが目に入ってきます。


特徴的なのはその三角形にデザインされた形状です。三角柱の形状に設計された本体により、手に持つ際やテーブルの上に置く場合にも最適な角度を確保することができそうですが、本当の目的は別のところにあります。


形状を三角形にしたことで、本体内部には音質を向上させる部品を組み込むスペースを確保。近年の音楽プレイヤーではほとんど見かけることがない電解コンデンサが搭載されていることからも、音質が最優先されていることを見て取ることができます。


設計担当のエンジニアが、そのコンセプトについて「われわれは、形状ありきの設計を行ったのではなく、実現したい音質に必要な部品を組み合わせてこの形状にたどり着きました」と語るPonoPlayerは、誰よりも音質にこだわりのあるミュージシャンからの支持を集めています。豪華なアーティストがPonoPlayerの魅力について語るムービーは以下から見ることができます。


いきなり二人目に登場するのは往年のギタリスト、デヴィッド・クロスビー。PonoPlayerのサウンドを車の中で聴いたようで、「こんなに車の中でいい音がするプレイヤーは初めてだ。今までに聞いた音の中でもベストな音かもしれない」とベタ褒めです。


ジャズシンガー・ピアニストのノラ・ジョーンズは「すごく気持ちよくて、これまでで一番よかったかもしれない」とその感想を語っています。


上記のデヴィッド・クロスビーやニール・ヤングと共にバンド「クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング」(CSN&Y)で活躍したギタリストのスティーヴン・スティルスは「グレイトだ。ハッハッハ!」とこれ以上なくわかりやすいリアクション。


数多くのヘヴィメタルバンドやシンガーソングライターのプロデュースを手がけ、現在は米コロムビア・レコードの共同社長を努めるリック・ルービンは「アメイジング。ビューティフルだ」と静かに語ります。


ロックの詩人STINGからは「これまでの音とは明らかに違うことがわかる」とコメント。


ロックバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のベーシストで、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にも出演していたフリーは「CDで聴いていた音とは違い、音楽全体の音像が伝わってくる」とのこと。


シンガーソングライターのジェームス・テイラーは「CDやMP3とは違い、僕たちミュージシャンがスタジオで作っている音がする」と語ります。


「ユア・ソング(僕の歌は君の歌)」や「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」をはじめとする名曲の持ち主、エルトン・ジョンは「まるでボブ・ディランが僕の耳の真横でハーモニカを吹いているような音だ」とリアルな音質を語ります。


憂いにあふれる歌詞で「都会の詩人」とも呼ばれるブルース・スプリングスティーンも、その温かいアナログのようなサウンドを褒めたたえます。


このほかにも、プロデューサーのドン・ウォズやエルビス・コステロ、ジャクソン・ブラウン、パティ・スミスなどの名だたるミュージシャンが登場してPonoのサウンドを熱く語る様子が収められています。


そんなPonoの開発を率いてきたのが、こちらも往年の名シンガー、ニール・ヤングその人です。Ponoの開発コンセプトを「これまでは成し得なかった、われわれミュージシャンがスタジオで作った音そのものをリスナーに体験してもらえるもの」とし、音楽プレイヤーのPonoやインターネットを通じた音楽配信システムを包括した「ミュージック・エコシステム」の構築を狙っていることを語ります。


スタジオレコーディングで完成されたマスター音源のクオリティをリスナーに届けるために採用されたフォーマットは、可逆圧縮フォーマットのFLACです。いわゆるハイレゾ音源に対応したデバイスになっており、原音に含まれる音の成分をほとんど失うことなく再生することが可能です。

PonoPlayerが対応している音源フォーマットは以下の通り。最低ラインとしてのCDレベルの音質の他に3種のハイレゾ音源に対応しています。
・1411 kbps (44.1 kHz/16 bit) FLACファイル(CD音源と同等の音質)
・2304 kbps (48 kHz/24 bit) FLACファイル
・4608 kbps (96 kHz/24 bit) FLACファイル
・9216 kbps (192 kHz/24 bit) FLACファイル
なお、サンプリング方式が全く異なるDirect Stream Digital(DSD)方式には対応していない模様です。

PonoPlayerには、ヘッドフォン/イヤフォン出力と、外部機器に接続するラインアウト出力の2種類の端子が備えられており、それぞれに最適化したセッティングが施されています。


反対側の面には、データ通信と充電を兼ねたマイクロUSB端子と、microSDスロットを装備。


楽曲を保存するストレージには、本体内に搭載された64GBのメモリの他にmicroSDを増設することが可能になっており、容量が大きいハイレゾ音源に備えられています。出荷時には64GBのmicroSDカードが一枚セットになり、合計で126GBの容量を使えることになります。音質面ではデジタルサンプリング音源特有のプリリンギングを抑えるフィルタや、音質を悪化させるもとになるNFB(ネガティブフィードバック)を排除したゼロフィードバック回路が採用されています。

Ponoは、クラウドファンディングサイトのKickstarterで出資を募集中で、目標金額の80万ドル(約8150万円)に対して記事作成時点では約390万ドル(約4億円)という出資が寄せられています。300ドル(約3万円)を出資するとブラックかイエローのPonoPlayerをゲット可能となっていますが、400ドル(約4万円)の出資だとアーティストのサインがレーザープリントされ、人気の高いアルバム2枚分の音源を収録した状態で出荷される「ARTIST SIGNATURE SERIES」をゲットすることも可能になっています。

すでに限定数に達してしまっているアーティストもありますが、シグネチャーモデルが設定されているアーティストはレッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ウィリー・ネルソン、ジェイムス・テイラー、マイ・モーニング・ジャケット、メタリカ、パティ・スミスなど約20名となっています。


PonoPlayerの出荷時期は2014年10月頃をめどにしているとのことで、音楽配信サービスの「PonoMusic」もその頃にサービスを開始するものと思われます。

なお、出資の締め切りは日本時間で4月16日(水)の午前2時30分。アメリカ国外への発送には、15ドル(約1500円)の送料が別途必要です。