「革新性」というユーザー・ニーズに応えるために=ネクスティア生命・今井社長に聞く(2)
インターネットサービスは、圧倒的なコスト競争力に優れているが、そのサービス品質については全幅の信頼を得られていないところがある。インターネット専用の生命保険会社として営業を開始してから3周年を迎えたネクスティア生命保険代表取締役社長の今井隆氏に、ネット生命の課題と将来性を聞いた。(3回シリーズの2)
世界的な保険ブランドである「アクサ(AXA)グループ」の一員でありながら、あえて社名に「アクサ」を入れなかった理由を、今井社長は「革新性の追求」とした。その「新しさ」こそが、ネットユーザーの期待に応えるポイントだという。
――創業から3周年を迎えたが、この3年間の評価は?
この3年間は、「2年」と「1年」に分かれます。当初「2年」はSBIホールディングスとアクサジャパンホールディングとの合弁会社「SBIアクサ生命」としてスタートしました。2010年2月にアクサ ジャパン ホールディングが、SBIホールディングスの保有株式を全株取得することになり、同5月に「ネクスティア生命」として再スタートしました。せっかく2年間、告知に努めてきた「SBIアクサ」を一旦リセットしなければならなくなってしまい、その点では、新しい保険のブランド「ネクスティア」の認知度は依然として低く、この認知度の向上は今後も課題だと思っています。
――世界を代表する保険会社であるアクサグループの一員であるにもかかわらず、社名にアクサを冠せずに「ネクスティア」という社名を選択した理由は? 私たちは、後発で新規参入している。さらに、ネット専業であることから、既存のサービスにはない「革新性」が求められている。この「新しさ」をキーワードに考えたときに、 結果的に、アクサを使わない「革新性」を訴求する新しいブランドを作っていこうと考えました。
――「ネクスティア」の社名が意味していることは?
「ネスクティア」とは、「next」に、「場所」を意味する「ia」をつけて、文字通り「次のところ」を表しています。「次のところめざしていきたい」「お客さまが次のところにいくことをサポートしていきたい」という私たちがめざしているサービスのイメージをそのままに社名にしました。
――ネクスティア生命が提供しようとしているサービスとは、具体的には?
一言でいうと「ストレス・フリー」です。インターネット技術を活用することによって、保険に関するストレスをなくしていきたいと思っています。
たとえば、保険に加入するときのことを考えると、まずは「価格が高い」ことが『ストレス』だと我々は考え、インターネットを使うことで、価格を徹底的に抑えました。加えて、加入時の様々な手続き(営業マンと面談したり、ハンコを押したり、初回の保険料を現金で用意したり)を可能な限り省きたいと考え、加入に必要な手続きを、全てインターネット上でしかも簡便に完結(※)する仕組みを提供しています。
(※)一部の商品・支払方法においては、インターネット上で完結しない場合があります。
また、本当にお客さまが必要とする保険を提供していきたいとも考えています。たとえば、笑い話のように聞こえるかもしれませんが、新入社員として入社したときに、保険会社の営業マンに勧められるままに加入して、何十年も保険料を払い続けてきたけれど、一体、自分がどんな保険に入っているのか実はよく分かっていないという方が、実際にいらっしゃいます。そんな状態のまま、生涯で保険料を1000万円以上も払い込んでいる方もいらっしゃるのです。 ――保険料を安くできるポイントは?
まず、これまでの保険会社での営業マンの役割を、インターネットに置き換えたことが挙げられます。
従来の生保は、全国各地に営業店舗を持ち、営業マンを雇用し、その営業マンは1人1台の営業用PCを持ち、お客さまとの面談に何度も往復する交通費を支払い、さらに紙のパンフレットや申込書などを使用する等、募集するための経費が膨大にかかっています。
また、契約した後の各種変更手続き等についても、通常、保険会社が行っていますが、まずコールセンターでお客様から連絡を受けて書類を郵送し、お客さまが記入した書類を生保側で確認しそれから変更情報が入力され、入力内容を確認して、初めて変更が承認されるなど、煩雑で時間のかかる仕組みになっているのが実情です。
このような契約に関する様々な手続きをわかりやすく簡略化し、お客さまが、インターネットを通じてリクエストを自ら入力していただいて、その入力データそのものをデータセンターで処理して手続が終わる仕組みにしています。そうすることで、募集コスト、顧客情報の管理コストなどを大幅にコストダウンすることができています。
一方、コールセンターなどもアウトソースして、良質なサービスをアウトソーサーから得て、これらを極力固定費にせず、良いサービスを買うという考え方で運営しています。「持たない経営」も推進している。これは、ITの開発についても同じことがいえます。自社で開発要員を抱えると、大きな固定費になりますが、これをアウトソースすることで経費を抑制しています。こうしてコストダウンできた成果を、お客さまに割安な保険料として還元させていただいています。
――その結果が、セレント社が表彰する「Celent Model Insurer Asia 2011」の受賞につながった?
セレント社は保険のコンサルタントで米国の会社です。世界中の保険会社を調査してベスト・プラクティスを表彰しています。昨年初めて行われたアジア地域の保険サービスについて、2011年の「アンダーライティング(引き受け)部門」でベストプラクティスに選ばれました。保険契約のフローを自動化することで、契約件数が10倍以上になっても、それを処理する顧客サービス部門が陣容を増やすことなく、サービスレベルも落とさずに対応していることを高く評価していただきました。(つづく)(編集担当:徳永浩)
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