担当M(以下M):ラモスさんがいつも以上に開幕を楽しみにしていらっしゃいますが。

ラモス(以下R):今年はJリーグ初年度以来の、どこが優勝してもおかしくないリーグですよ。盛り上がること間違いない。きっとJリーグの熱気が戻ってくるんじゃないかとわくわくしてるんです。

M:それは戦力が拮抗しているということですか。

R:どこもいいチームを作ってきたので、ちょっとした運で展開が変わってくるということです。今年の優勝争いに加わってきそうなチームを考えてみると分かりますよ。まず大本命の名古屋。対抗として川崎。だけど名古屋と川崎にそんなに差はない。しかも同じように差のないチームがたくさんあります。鹿島のオリヴェイラ監督の能力の高さは3連覇で証明されているし、清水の長谷川監督も的確にチームを進歩させてきた。西野監督は必ずG大阪を優勝争いに絡ませてくる。戦力は揃っているので、フィンケ監督と加藤監督がいい采配を見せれば、当然浦和と京都も優勝争いに絡んでくる。ね、不安要素が少ないチームだけを考えてみても、もう7チームあるんです。他にも勢いに乗れば止められないチームがある。1週ごとに順位表がどんどん入れ替わる、すごく楽しいリーグになりますよ。

M:注目している監督は誰ですか。

R:まず横浜Mの木村監督でしょう。やっとJの舞台に戻ってきました。木村監督がどんな采配をするのか、すごく楽しみにしています。他の監督も今年は個性がものすごく違う。だから対戦はカラーが違うチームの戦いばなりになって、すごく戦略的な楽しみも出てきます。だけど、僕が一番注目している監督は浦和のフィンケ監督と京都の加藤監督。この2チームは戦力が整っている。それだけに監督次第でチームの浮き沈みが決まってきます。この2人の采配は細かくチェックしていきたいと思いますね。

M:あとの今年のJリーグで注目すべき点は?

R:Jリーグで今、いろんなことを変えていくのはとても難しい。選手獲得や移籍という点を考えても、Jリーグのスケジュールやシステムだけ変えればいいというわけじゃない。それでもJリーグは変革の時期を迎えていると思います。だって選手の年俸を考えると、Jリーグができる前のアマチュア時代、JSLのころに戻ったレベルの年俸の選手がたくさんいますよ。それで子どもたちに夢を与えられるのか。一度日本サッカー界は大きくなったけど、そこまで戻ってきたのだからまた新しいアイデアで作り直さなければいけないことがたくさんあります。そこに臆病になっちゃいけない。去年と同じやり方を守るだけじゃなく、Jリーグとしての魅力を作り出していってほしいですね。今こそJリーグに強力なリーダーシップが必要ですよ。