インタビュー:玉木宏「何が善で、何が悪かは誰にも分からない」
――今回、初めての悪役ということですが、ここまで完全に悪にふりきった役柄も珍しいと思います。このお話をいただいた時はどう思いましたか?
玉木宏(以下、玉木):まず、この映画の松橋プロデューサーから別の作品を撮っている時に「これを演じてみないか?」って原作を渡されたんです。元々、悪役にずっと挑戦してみたかったのもあって、すぐに引き受けようと思いました。あとは手塚治虫さん原作っていうことも自分の中ですごく大きくて。実写化したら大作になるということは原作を読んだ時点で分かったので、プロデューサーからも「とにかく時間をください」とお願いされましたね。――原作では過激なシーンも多いですが、全く抵抗は無かったですか?
玉木:無いですね。お話をいただいたこと自体嬉しくて即決でした。――結城を演じる上で工夫した点は?
玉木:結城ってすごくスマートで頭が良いキャラクターなので、表情を無くすことを意識しました。いつも温度の無い表情をしているというか、クールさの表現ですね。――撮影時に一番苦労したシーンはどこですか?
玉木:実は結城のシャープな印象を出すために体重をかなり絞りまして、体脂肪が一時期4%まで下がったんです。その時に貯水湖に潜るシーンの撮影があって、体が全然水に浮かないんです。水泳は得意で、自分でもずっと上手いと思っていたので驚きました。本当に溺れかけたんですよ(笑)。――危機一髪という感じですか?
玉木:本当にやばかったですね(笑)。焦りました。――完成した作品を観て、一番気に入っているシーンはどこですか?
玉木:この作品ってカット割がすごく多くて、撮影中も今どこのシーンを撮っているのが分からないんですね。完成した作品を通しで観て「こうなったか」と演じていた自分自身でもビックリしたんです。色々なシーンがきちんと組み合わさっていて。一番っていうのはすごく難しいですね。強いていうなら最初の誘拐のシーンですね。先ほど言った様に、結城に対しては極力表情に温度が無いように演じていましたが、親子に銃を向けるシーンでは思い切り表情を強くしました。――目を見開いてとても恐ろしい表情をしていましたね。
玉木:最初監督に「やり過ぎ」だと言われてしまって。何パターンも撮影していたんですけど、結局そのやり過ぎと言われた表情が使われていたので良かったなと思いました(笑)。