とある会社が家庭用冷凍ケーキを販売した時のエピソードである。

 その会社は米国のA社からレシピを買って生産販売したのだという。ところが、この売れ行きがどうも芳しくない。「甘過ぎる」というのだ。そこで、砂糖を減らして製造してみたが、やはり評判はよろしくなく「まだ甘い」という。

 そこで、A社に相談したところ、恐れ多くもA社の副社長さんが来日された。この副社長さん、「まずは日本のケーキを食べたい」とおっしゃるので、当時の日本で人気のあったケーキを食べ比べてもらった。副社長さんは何個目かのケーキを食べた後、おもむろにメモにレシピを書き出した。そして「このレシピで作ってみなさい」と言い置いて帰っていった。

 半信半疑のまま、そのレシピで作ってみたところ、ケーキは順調に売れだした。多過ぎた材料はなんと、砂糖ではなく、塩だったのだという。

 ……というのは、冷凍ケーキが日本の家庭にあまりなじみがなかった頃のお話であるが、今では冷凍ケーキもすっかり我々の暮らしに浸透し、種類も豊富になった。

 解凍の加減で味わいが異なるチーズケーキなど、好みの味を追求できる商品も生まれ、なかなか奥の深いジャンルに成長した。

 そんな中、4月11日に香港厨師会が発売した「アイスまんテン ファンシーカスタード」は、冷凍庫から出してから常温に2、3分置いてからが食べ頃の一口カスタードまんじゅうだ。外側の生地はふんわり、中のクリームはさくっと、2つの食感をヒンヤリといただくのがオツな一品。

 「アイスまんテン」とは、香港厨師会が誇る人気商品「選べる10円饅頭 まんテン」の新ラインナップで冷やして食べる洋菓子テイストの新シリーズだ。「アイスまんテン ファンシーカスタード」はその第一弾となる。夏場に弱い小豆餡の蒸まんじゅうに代わる商品として開発された。

 確かに、小豆も暑さに弱いが、我々も暑さに弱い。一口でお口をヒンヤリ冷やしてくれるプチまんじゅうにはついつい手が出てしまいそうだ。

 食べ続けるうちに、10円が100円に、100円が1000円にならないよう気をつけたい、危険な10円まんじゅうであるかも知れない。

参照:http://www.value-press.com/pressrelease.php?article_id=23950

(編集部 須田翠)