1億8000万円不明の恐れの北海道の赤い羽根共同募金、事務費削減や積立金の取り崩しで1億6000万円を分配へ
赤い羽根共同募金などで集められた寄付金で使途不明金が見つかった問題で、募金を運営する北海道共同募金会(札幌市中央区)は15日、札幌市内で記者会見を開き、使途不明額が約1億8000万円に上る可能性があると発表した。
同会名義の口座を管理していた男性事務局長(58)は約6年前から着服を繰り返していた疑いがあり、善意の募金での不正に、同会は謝罪した。
発表では、男性は2022年7月から事務局長を務め、会計業務の責任者として寄付金を保管する同会名義の口座を管理する立場にあった。同会の調査では、事務局次長として出納業務に携わっていた20年頃から口座に不審な借り入れの形跡を確認。会計監査が行われる年度末に不足額の穴埋めのために借り入れしていたとみられるという。
同会によると、今年2月に札幌国税局が所得税法違反容疑で男性への強制調査(査察)を行い、同会でも3月に調査したところ、通帳の預金残高と帳簿上の残高にずれがあり、使途不明金の存在が判明した。同会は刑事告訴や損害賠償請求を検討している。
会計業務は男性が実質1人で担っていたといい、同会は「チェック体制が機能しなかった」と説明。男性は刑事事件へ発展する可能性を理由に、同会の聞き取りに十分に応じていないという。
同会は例年、6億〜7億円の寄付金を集めている。毎年4月に道内193の下部組織を通じ福祉事業の助成金として分配しているが、今年度はこの問題を受けて分配が遅れている。同会は事務費の削減や積立金の取り崩しで、予定額の約半額の1億6000万円を用意し、今後分配する方針。
一方、募金事業は今後も継続する予定で、瀬尾英生会長は記者会見で「募金への信頼とお預かりした浄財を、不適切な行為で失うこととなりおわび申し上げる。再発防止の取り組みを進める」と頭を下げた。
募金の活用や協力に携わる人たちからは、怒りや戸惑いの声が上がっている。道央地方の社会福祉協議会の担当者は、「善意のお金なので、残念というしかない」とため息をついた。空知地方の美容室オーナーの60歳代女性は数十年にわたって募金に協力してきた。「腹立たしい。今後は協力したくない気持ちもあるが、福祉や困っている人のためを思うと悩んでしまう」と話した。
