世界的な企業買収を進める中国の真の狙い―独メディア
2026年6月5日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国による世界的な企業買収の真の狙いについて論じた独紙ヴェルトの報道を紹介した。
記事によると、ヴェルトは、中国の投資家が支配する海外資産が年率20%のスピードで増加しており、21年時点で2兆1000億ドル(約337兆円)に達して香港とマカオを含めた「グレーターチャイナ」が米国に次ぐ世界第2位の資産支配規模になったと紹介した。
また、中国の資産が先進経済国の先端技術を持つ企業に高度に集中しており、欧州と北米で支配資産の約80%を占めていると指摘。中国の投資家、特に国有企業が研究開発の盛んな企業やサプライチェーンと密接に結びついた会社へ戦略的に投資していると伝えた。
一方で、ドイツの強みである工作機械やロボット、自動車などの産業について、中国が掲げた「中国製造2025」開発計画の重点産業とほぼ完全に重なり、ドイツの利益が直接影響を受けていると指摘した。
さらに、先進国で中国資本に買収された企業は研究開発を継続するものの、その利益は中国側の所有者に渡る仕組みになっており、結果として買収側の中国親会社、特に国有企業の特許出願数が約4.4倍に急増していることにも言及。中国企業が足場を固めることで競合他社の研究開発投資が減少し、特定業界における支配権が体系的に構築されるリスクがあると論じた。
同紙はこのほか、公式データ上は中国による西側諸国への買収活動が鈍化しているものの、実際には苦境にある自動車業界などを中心に買収意欲が再び高まっていると指摘。経済学者が「政府高官などの意思決定者は、西側の基幹産業において体系的に世界の企業支配権を構築しようとする中国の動きに慎重であるべきだ」と提言していることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)
