《公判で予期せぬ展開》「セクハラでなければ何なのか」約1.5億円脱税の黒木麗香被告が主張した“国税局員からのありえない質問”、国税局は「セクハラの事実はありません」
5月14日、東京地裁。法人税など約1億5700万円を脱税した罪に問われている、実業家でインフルエンサーの黒木麗香被告(38)らの被告人質問が行われた。
【写真】ピンヒールにスーツ姿で東京地裁に登場した宮崎被告。“赤白フェラーリ”インスタ投稿、など
用意された傍聴席は約40席。開廷30分前に締め切られる抽選券を求めて大勢の人が列をなし、事件への注目度の高さがうかがえた。さらに429号法廷の入り口では電子機器の持ち込みが固く禁じられ、番号札と引き換えに手荷物を預けるという厳戒態勢が敷かれていた。【前後編の前編】
静まり返る法廷に、ヒールを鳴らして入廷した黒木被告は、黒のパンツスーツにメガネ、マスク姿。
かつてSNSで"年商25億円のカリスマワーキングママ"として華やかな生活を発信していた姿からかけ離れた、厳粛な空気をまとっていた。
1期目に「想定外の売り上げ」
弁護人からの質問が始まると、架空の業務委託費を計上して2024年までの3年間に法人税などを脱税した起訴内容について、弁護人から「間違いないか?」「どうして脱税したのか?」と尋ねられると、黒木被告は次のように答えた。
「間違いないです。深く反省しております。1期目売り上げが想定以上にあがってしまい、法人税が支払えない状態でした。それまでは専業主婦で、法務や税務の知識がありませんでした」
そうして資金不足に陥った際、知人のA被告に相談したと明かした。
「(A被告は)証券会社に勤務していたこともあり、経験豊富なので『こういったことができる』と言われて、任せてしまいました。(脱税した)お金は個人的に使っていません。会社の事業資金に使いました」
「セクハラ被害」告白で場外乱闘が勃発
起訴内容を認め、謝罪と反省を繰り返し述べた黒木被告。しかし、国税局の査察官に対しては当初、脱税を否認し虚偽の説明を続けていた。
なぜ嘘をついていたのか--。弁護人から問われた彼女の口から飛び出したのは、意外な告白だった。
黒木被告は、令和7年の強制捜査時、「乳腺炎の手術の直後なので、麻酔が抜け切っておらずきつかった」と当時の状況を説明。そのうえで、自宅を訪れた国税局の男性査察官の言動について涙ながらにこう訴えたのだ。
「いきなり1人の男性が『おっぱいをあげるのどんな気持ち?』『どんな姿勢であげるの?』などとずっと聞いてきました」
黒木被告はセクハラにあたると国税局に抗議したが、当初は「授乳の配慮」などと説明していたが、後に「そんなことはなかった」と翻されたという。これが国税局への不信感に繋がり、虚偽の申告を続けた理由だと主張した。
検察から「嘘をつくこととセクハラは関係ある?」と問われた際も、「私の中ではあります。自分がハラスメントを受けた相手に本当のことを話そうとは思わないです」と訴えた。
東京国税局は「セクハラの事実はない」と回答
黒木被告が法廷で訴えた国税局員によるセクハラ疑惑について、東京国税局に事実関係を問い合わせたところ、次のような回答があった。
「本件を査察調査として確認していますが、セクハラの事実はありません。事実がないため今後調査を行う予定はありません。職員に対しては各種ハラスメントの防止についての注意喚起を行っております」
当時の様子について裁判を傍聴したライターが語る。
「被告は声を震わせ、時折ハンカチで涙を拭いながら訴えていました。母親としての尊厳を傷つけられたという怒りは本物に見えましたが、一方でそのセクハラ被害を"脱税を隠蔽した理由"の盾にして、同情を買おうとしていると捉えることもできます。真相は分かりませんでした」
涙の告白で法廷の空気を揺るがした黒木被告。しかし、肝心の「脱税した1億5700万円」はどこへ消えたのだろうか。 後編記事では報道で囁かれていた"ハイブランドやフェラーリ"への流用疑惑に対し、被告の口から言い分が語られた--。
(後編に続く)

