政府は15日、刑事裁判をやり直す再審制度で検察官の不服申し立て=「抗告」を「原則禁止」する規定などを盛り込んだ刑事訴訟法の改正案を閣議決定しました。再審を求めている大崎事件の弁護団は評価する一方、懸念も示しています。

(大崎事件弁護団共同代表 鴨志田祐美弁護士)「裁判所に前例にとらわれずに、自分で証拠をみてしっかり判断する、抗告という重しのようなものが原則なくなっていくことは非常に大きな意味がある」

政府が15日閣議決定したのは、再審制度を見直すための刑事訴訟法の改正案です。

改正案では再審開始の決定に対し、検察官が不服を申し立てる「抗告」を「原則禁止」とします。

一方で、例外として「十分な根拠がある場合に限り、抗告することができる」とする規定などを新たに設けました。

弁護団の鴨志田祐美弁護士は「例外的な抗告がどこまで認められるか」など懸念

1979年、大崎町で男性が遺体で見つかった大崎事件では殺人罪などで10年間服役した男性の義理の姉・原口アヤ子さん(98)が一貫して無実を訴え、5回目の再審請求を鹿児島地裁に申し立てています。

大崎事件ではこれまでに3回、再審開始が認められましたがいずれも検察の抗告で覆されています。

弁護団の鴨志田祐美弁護士は「例外的な抗告がどこまで認められるか」など懸念する内容も多いとして国会での慎重な審議を訴えています。

(大崎事件弁護団共同代表 鴨志田祐美弁護士)「何でも十分な根拠があるとしてどんどん抗告するようになると、原則と例外が逆転してしまうような危険もないわけではない。(例外が)残ってしまったことは非常に危惧している。国会が審議の場になるので、この条件でいいのか審議してほしい」

日本弁護士連合会 松田純一会長「一つの山をクリアした」

一方、暴力追放県民大会に出席するため鹿児島を訪れた日本弁護士連合会の松田純一会長は記者会見で、一連の議論を評価しました。

(日本弁護士連合会 松田純一会長)「一つの山をクリアした。目的はどこまで行ってもえん罪の防止とえん罪と言われている方の早期救済」

政府は改正案を今の国会に提出し、早期の成立を目指しています。