会談するトランプ大統領と習近平国家主席=ロイター

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 【北京=東慶一郎】中国の習近平(シージンピン)国家主席が15日、米国のトランプ大統領をお茶に招待したのは、自身の執務室や住居のある北京・中南海だった。

 習氏は、2017年の訪米時にトランプ氏の別荘に招かれたことへの「返礼」だと述べ、特別感を演出した。

 中南海は、北京中心部の世界遺産「故宮」の西側に位置し、共産党や政府機関の所在地となっているほか、習氏ら国家指導者の執務・居住区でもある。名称は敷地内にある人工池の「中海」と「南海」に由来し、明、清時代は皇帝の庭園として使用された。

 米中メディアによると、中南海で行われた少人数会合の冒頭、習氏は中南海の位置づけを説明した上で、「新中国(中華人民共和国)成立以降、毛沢東や周恩来、トウ小平、江沢民(ジアンズォーミン)(元国家主席)、胡錦濤(フージンタオ)(前国家主席)も皆ここにいた」と紹介した。

 歴代の米大統領による中南海訪問は、2014年のオバマ氏や1972年に電撃訪中したニクソン氏の例がある。ニクソン氏は毛と会談し、断絶していた米中関係を劇的に改善させた。日本からは同年、国交正常化交渉で訪中した田中角栄首相(当時)が毛と会談した。習氏が近年招いたのは、ロシアのプーチン大統領やベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領といった伝統的友好国の首脳に限られる。

 習氏は会合前、トランプ氏と2人で中南海の庭園「静谷」を散策し、樹齢100年を超える樹木などを案内した。トランプ氏が「他国の首脳が来た時もここに案内するのか」と尋ねると、習氏は「非常に珍しい」と答えた。

 トランプ氏は散策中に中国原産の「コウシンバラ」を見て、「こんな美しいバラは見たことがない」と称賛した。自身のバラ園に植えたいと要望すると、習氏は種を贈ることを快諾したという。