正恩氏の娘が「4代目」?…「尊敬するお子様」公式報道では名前や年齢は公表されず
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記の娘が、正恩氏とともに行事に出席する姿を北朝鮮メディアが頻繁に伝えている。
韓国の情報機関は後継者との見方を強めている。娘の登場は、北朝鮮で初めてとなる女性への「4代世襲」の布石なのか。
韓国情報機関「後継者として内定段階」
韓国の情報機関・国家情報院は2月12日、「(娘が)後継者として内定段階に入った」と国会に報告した。軍の関連行事で存在感を高め、正恩氏の視察に同行した際、一部の施策について直接意見を述べる場面も確認された。国情院は4月6日にも「後継者と見てもよさそうだ」との見解を国会に示した。娘が最近、戦車に乗り、銃を撃つ姿を公開しており、「軍事的な非凡さ」を強調しているという。女性後継者に対する疑念を和らげる狙いもあると分析した。
娘が初めて姿を見せたのは大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」を発射した2022年11月18日だった。公式報道では名前や年齢は公表されず、「金正恩総書記の娘」「愛するお子様」「尊敬するお子様」などと呼ばれている。
「白頭山の血統」
4代世襲があったとしても不思議ではない。
北朝鮮の最高指導者は、1948年9月の建国の功労者である金日成(キムイルソン)の血を受け継ぐ者に限られるとする考え方が浸透したからだ。金日成の抗日運動の拠点で長男の金正日(キムジョンイル)が生まれたとされる革命の聖地にちなみ「白頭山の血統」と呼ぶ。「金正恩総書記のために白頭山の血統を守る」(2023年12月1日の朝鮮中央通信)といった具合だ。
金日成が世襲を決めたのは、ソ連のスターリン、中国の毛沢東など同時代を生きた独裁者が後進からの批判を免れなかった歴史を見たからだろう。北朝鮮は13年、憲法や党規約を超える最高規範「10大原則」に「党と革命の命脈を白頭の血統で永遠に継承しなければならない」との内容を加えた。朝鮮王朝から日本の統治、旧ソ連による占領を経て建国に至った北朝鮮は、民主主義の体験が皆無のまま「金王朝」の独裁が根付いた。
「若過ぎる」「女性」…疑問視する見方も
しかし、現段階で後継者と見るには疑問も残る。
