毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、4月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
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第1位:『考えてはいけないことリスト』(堀田秀吾著、フォレスト出版)
第2位:『上手に「指示できる人」と「できない人」の習慣』(鶴野充茂著、明日香出版社)
第3位:『こうやって、センスは生まれる』(秋山具義著、SBクリエイティブ)
第4位:『ミニマル脳習慣』(菅原道仁著、PHP研究所)
第5位:『13歳のときに知りたかった強みの見つけ方』(土谷愛著、かんき出版)
第6位:『服捨て』(昼田祥子著、講談社)
第7位:『Googleで学んだ圧倒的成果を出し続けるマネジャーの最優先事項』[中谷公三/諸橋峰雄著、水野ジュンイチロ(著・漫画)、ディスカヴァー・トゥエンティワン]
第8位:『今さら聞けない 休養の超基本』(片野秀樹著、朝日新聞出版)
第9位:『「気が利く」とはどういうことか』(唐沢かおり著、筑摩書房)
第10位:『「頭」を使える良問』(高松智史著、ソシム)
第11位:『誰とでもうまく「話せる人」と「話せない人」の習慣』(松橋良紀著、明日香出版社)
第12位:『デンマーク人の休む哲学』(針貝有佳著、大和書房)
第13位:『すぐに「できません」と言う人たち』(榎本博明著、PHP研究所)
第14位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第15位:『2034』(中島聡著、徳間書店)
第16位:『IKIGAI シンプルに、豊かに生きる』[エクトル・ガルシア/フランセスク・ミラージェス著、長澤あかね(訳)、大岩央(編・監修・解説)、PHP研究所]
第17位:『グズを直す本』(名取芳彦著、三笠書房)
第18位:『100年変わらないお金持ちの真実』(ロジャーパパ著、KADOKAWA)
第19位:『変な心理学』(山田祐樹著、筑摩書房)
第20位:『世界最高峰の学び』(飯田史也著、日経BP)

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2026年4月の閲覧数ランキング

■「考えてはいけないこと」がある

第1位に輝いたのは、『考えてはいけないことリスト』でした。

堀田秀吾『考えてはいけないことリスト』(フォレスト出版)

「あんなこと、言わなきゃよかった」「私って嫌われているのかも」――そんなふうに、考えても仕方ないことが頭の中をぐるぐるすることは、どんな人にもあるのではないでしょうか。本書は、明治大学の教授であり、人気作家でもある堀田秀吾さんが「考えると不幸になる25のこと」を列挙し、「考えると不幸になる」科学的な理由をわかりやすく解説してくれる一冊です。

例えば、誰かと話しているときの「しまった、空気壊したかも」。これに対して堀田さんは、人の解釈はそれぞれであり、「正解の空気」というものは存在しないため、「空気壊したかも」と考えることに意味はないと断言します。

その上で重要だとされているのは、空気を読むことではなく、相手を尊重し、誠実に振る舞うこと。相手との微妙な「ずれ」を認め合い、それを乗り越えていくプロセスに、コミュニケーションの本質がある――そう聞くと、気持ちが楽になるのではないでしょうか。

つい、寝る前に反省会を開いてしまいがちな人は、ぜひ手に取ってみてください。

■「気の利いた表現」で業務を円滑化

第2位は『上手に「指示できる人」と「できない人」の習慣』でした。ビジネスのよくあるシーンごとに、指示出しの「上手な人」と「下手な人」を対比させながら、指示出しのテクニックを教えてくれる一冊です。

鶴野充茂『上手に「指示できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)

例えば、上司であるあなたに、プロジェクトの進捗報告が上がってこないとき。部下に対して、どのように声をかけますか。

下手な指示の例として挙げられているのは「納期は守ってもらわないと困るから。遅れそうなら、はやく言うように。ギリギリで言われても調整できないよ」。こう言われた部下は「遅れるって言ったらもっと面倒だろうな……」と考え、報告をさらに先延ばしにするでしょう。

一方、指示が上手な人は、「予定通り進まないことって普通にあるから。遅れそうなら、はやく聞いてほしくて。選択肢が多いうちに一緒に考えたいんだよね」と伝えます。これなら、部下は、状況を包み隠さず、すぐに報告するはずです。

「はやく言うように」と「はやく聞いてほしくて」。ちょっとした表現の違いですが、相手の受け取り方は大きく変わるもの。本書には、こうした気の利いた表現がたくさん掲載されています。指示出しや部下との関係構築に悩むビジネスパーソンに一読をおすすめします。

■「センスのいい人」がやっていること

第3位は『こうやって、センスは生まれる』でした。「マルちゃん正麺」の広告などで知られるクリエイティブディレクター/アートディレクターの秋山具義さんが、センスの磨き方をまとめた一冊です。

秋山具義『こうやって、センスは生まれる』(SBクリエイティブ)

秋山さんは、どんなアイデアも「十歩先」でも「常識のど真ん中」でも相手には届かないとし、「受け手の理解と共感のラインから、ほんの少しだけはみ出す」半歩先という距離感の重要性を説いています。

その上で、センスがいい人は、無意識のうちに頭の中で次の3つのステップを実践しているといいます。

(1)「知覚」――世界の「普通」と「半歩先」を知る
(2)「組み替え」――世界の「普通」と「半歩先」を組み替える
(3)「表現」――「調整+伝わり方」でセンスの精度を上げる

「知覚」を鍛える方法として、秋山さんが大学生の頃に実践していたのは、都バスに乗って外を観察すること。ランダムに流れ込んできた情報が、「センスの種」として自分の中に蓄積され、いつか「センス」になるのだといいます。

デザイナー職ではない、一般的なビジネスパーソンでも、資料や文章の作成においてセンスを発揮する機会は多いもの。センスのよさを強みにしたいなら、本書のメソッドを日々の習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。

■脳神経外科医が提案する「新習慣」

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

第4位にランクインしたのは、『ミニマル脳習慣』でした。脳神経外科医の菅原道仁さんが、脳のパフォーマンスアップにつながり、かつ気軽に日常生活に取り入れられる「ミニマル脳習慣」を教えてくれる一冊です。

菅原道仁『ミニマル脳習慣』(PHP研究所)

本書の習慣は、やる気を出す、集中力を高める、人間関係で疲弊しないなどの7つのテーマに分けられています。

例えば、「やる気を出す」の章で紹介されているのが、先延ばしをなくす習慣。お風呂に入る気になれないなど、どうしても体が動かないときには、「湯船につかったら、さっぱりして、気持ちいいだろうな〜」と想像してみましょう。たったこれだけで、脳内でドーパミンが分泌され、「ちょっとやってみようかな」という気分になるといいます。

さらに、妄想すら面倒なときは、口角を上げるだけでも効果があるそう。口角が上がると、脳は「今、自分は楽しいことをしている」と錯覚し、実際に楽しい気分になってくるのです。

このように、本書で紹介される習慣は、特別な道具や準備が不要で、誰でもすぐに取り入れられるものばかり。頑張りたくないけど生活をちょっと良くしたい、そんな欲張りな人にぴったりです。

■逆算法で「強み」を見つける

自分には強みなんてないから、がむしゃらに頑張る以外に道はない――そう思い込んでいる人に手に取ってほしいのが、第5位の『13歳のときに知りたかった強みの見つけ方』。

土谷愛『13歳のときに知りたかった強みの見つけ方』(かんき出版)

著者の土谷愛さんは、強み発掘コンサルタントとして、これまで1万人以上に独自の自己分析メソッドを伝えてきました。そんな土谷さんは、「強み」が見つからないのは、あなたに「強みがない」からではなく、「強み」という言葉の定義があいまいだからだと断言します。

本書では「強み」を「目的を叶えるために役立つ特徴」と定義します。目的を叶えるために最適な「特徴」を、自分の中から取り出して使う――。そう考えてみれば、いろいろな強みが見つかりそうな気がしてくるはずです。

土屋さんのメソッドでは、まず「目的」を決め、それに使える特徴を探すという「逆算法」で強みを見つけます。具体的には、次の3ステップです。

・ステップ1:「見つけた強みをどんなことに活かしたいのか」という「目的」を決める
・ステップ2:目的を叶えるために持っている、自分の「特徴」を知る
・ステップ3:「目的を叶えるにはどんな特徴が必要か? その特徴は自分にあるか?」と考え、特徴を「強み」に変える

具体例が豊富で、「自分も強みが見つかりそう」と思える本書。頑張る自分にもっと自信がほしい人にとって、必読の一冊です。

■単なる断捨離ではない「服捨て」

最後にご紹介したいのは、第6位の『服捨て』です。

昼田祥子『服捨て』(講談社)

クローゼットを開けても、着たい服が1着もない。こんなにたくさん服があるのに――。本書は、そんな気持ちになったことがある人にぜひ読んでほしい一冊です。

ファッションエディター/ライフプロデューサーであり、1000枚近くあった洋服を20枚に減らした経験を持つ著者・昼田祥子さんによれば、クローゼットは単なる収納ではなく、持ち主の価値観や選択の癖が表れる場所。多くの人は「どう見られるか」「無難かどうか」といった基準で服を選ぶために、「服はたくさんあるのに着たい服がない」という状況になるのだといいます。

本書で昼田さんが提案する「服捨て」は、単なる断捨離ではありません。日常の行動を「ハレ」と「ケ」に分け、「ハレ」の自分にふさわしい服を先に整えることで、生き方そのものを整えていく手段です。具体的には、次の4つのステップで進めていきます。

・ステップ1:日常の行動を具体化し、「ハレ」と「ケ」に振り分ける
・ステップ2:リモートワークと近所への外出など、兼用できるシーンをまとめる
・ステップ3:手持ちの服のシーンを確認する
・ステップ4:枚数の適正値を確認する

クローゼットの中身が整うにつれ、自分のスタイルが見つかるとともに、人生の方向性も定まっていくでしょう。

今月も、コミュニケーションのコツから自分の強みの見つけ方、Google流のマネジメント術まで、幅広いジャンルの本がランクインしました。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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(flier編集部)