【河野 嘉誠】参加費1万円の格安研修会開催は再登板への布石か… 岸田前総理の「気になる動き」の真意

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温存されていた「秘書会マネー」

〈岸田文雄元総理を講師にお招きして研修会を開催したいと存じます〉

旧宏池会(旧岸田派)秘書会有志の研修会案内にはそう記されていた。5月9日からの一泊二日。講演会や懇親会、観光・ゴルフ代などを含め、参加費は1万円と激安だ。

しかし会場の「富士ゴルフコース」(山梨県南都留郡)では、宿泊費とプレイ代の合計は5万円を超える。1万円の参加費ではとても足りない。

今回の研修会の担当者に聞くと「参加者の積立金と今回の参加費で支払います」と言う。「積立金」とはいったい何か?

「旧岸田派では所属議員の事務所ごとに年間3万円を秘書会に積み立てるルール。そのおカネでしょう」(旧岸田派元秘書)

裏ガネ事件を受け、旧岸田派は'24年に解散したが、その後も「秘書会マネー」は温存されていたことになる。

総理を辞してもなお健在な活動ぶり

総理時代に「派閥ありきの自民党から完全に脱却する」と言い出したのは当の岸田氏だ。派閥解消の言い出しっぺが旧派閥の秘書会研修にノコノコと出かけたのはなぜか。

「旧岸田派では林芳正総務相と木原誠二元選対委員長が勢力争い中。岸田氏は『最後にまとまればいい』と語り、自分が旧派閥のまとめ役だという強い自負がある。飲み会で『総理再登板もあるのでは』と水を向けられると、まんざらでもない表情です」(岸田氏周辺)

会長を務める資産運用立国議員連盟を通じ、「金融のドン」として君臨。最近では保険業界と関係を深めているという。資産運用には、保険会社が提供する生命保険やアセットマネジメント商品なども含まれるからだ。

「保険業界は支店や代理店など全国的なネットワークがあり、旧岸田派議員を支える票田になり得ます」(財務省関係者)

衰えしらずの活動ぶり。だが、前言撤回で旧派閥の集まりに参加し、「アクティブすぎる元総理」も時には困りものだ。

(取材・文/河野嘉誠)

「週刊現代」2026年5月25日号より

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