大規模地下街はダンジョン(迷路) 豪雨などで地下街が浸水 どう避難すれば?【暮らしの防災】
もうすぐ雨の季節です。今回は雨の日のお出かけを考えます。豪雨で下水道が雨水を流しきれなくなると、街に水があふれます(内水氾濫)。この水が地下街に流れ込む可能性があります。河川があふれた場合(外水氾濫)も同じです。事実、2000年東海豪雨、2008年8月豪雨の時、標高が低い名古屋駅周辺にある地下街などに水が流れ込み浸水被害が出ています。地下街の浸水は、立地によって大津波、高潮でもあります。大阪では「梅田の地下街=梅田ダンジョン(迷路)が浸水したら、どうすれば?」がクローズアップされています。地下街は全国にあります。出かけ先の地下街が浸水し始めたらどうすればいいのか。対策を考えます。
地下街に水が流入する可能性がある時、地下街の入口には「止水版」が設置され、流入を防ぎます。しかし想定を超えたりすると、さまざまな箇所から地下街に水が流れ込みます。
事実、2000年9月の東海豪雨の時には、名古屋駅前の地下街に水が流れ込んで浸水、2008年8月の豪雨(通称:岡崎豪雨)の時は、近鉄名古屋駅で浸水被害が出ています。
梅田ダンジョン
大阪駅のまわりには7つの駅があります。JR大阪駅・北新地駅、大阪メトロ梅田駅(御堂筋線)・東梅田駅(谷町線)・西梅田駅(四つ橋線)、阪急大阪梅田駅、阪神大阪梅田駅、この7つの駅を結んで6つの地下街が複雑につながっています。慣れない人、土地勘が無い人にしてみれば、まさに迷路です。名付けて“梅田ダンジョン(迷宮)”。
いま、この「梅田ダンジョン」が防災で話題になっています。このエリアは南海トラフ巨大地震の想定浸水域で、梅田がある大阪市北区は2m程度浸水するとされています。その時、利用者が地下街からスムーズに地上へ脱出して安全な場所へ避難できるのか?と、専門家などから問題提起されたのです。
大阪府、大阪市、各地下街は協議会をつくって協議・検討を行いました。そして浸水時の対応、避難方法などを決めました。各地下街は、HPなどで利用者への周知を始めています。
名駅の地下街は?
名古屋駅周辺の地下街はどうでしょうか?名古屋駅とその周辺では、エスカ、地下鉄桜通線名古屋駅、東山線名古屋駅、大名古屋ビルヂング地下街、ユニモール、サンロード、ミヤコ地下街新名フード、地下連絡街(passage)の9つの地下街が繋がっています。
大阪・梅田ほどではありませんが、土地勘がない人にはわかり難いと思います。名古屋市が中心になり「名古屋駅地区庄内川タイムライン検討会」をつくり、洪水による浸水対策、大災害の帰宅困難者対策などの検討を行っています。
次回は、地下街が浸水し始めた時の具体的な対策を紹介します。
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被災地取材やNPO研究員の立場などから学んだ防災の知識や知恵を、コラム形式でつづります。
■五十嵐 信裕
東京都出身。1990年メ~テレ入社、東日本大震災では被災地でANN現地デスクを経験。報道局防災担当部長や防災特番『池上彰と考える!巨大自然災害から命を守れ』プロデューサーなどを経て、現ニュースデスク。防災関係のNPOの特別研究員や愛知県防災減災カレッジのメディア講座講師も務め、防災・減災報道のあり方について取材と発信を続ける。日本災害情報学会・会員 防災士。