日経平均は一部のAI・半導体関連の値がさ株が占めるウエートが高く、牽引するセクターが原油高騰の影響を受けにくい業態と言うことを考えれば、仮に全体業績が減益であっても、日経平均が大きく押し下げられるような局面は想定しにくい。しかし、秋口から年末にかけては、株式市場にとって、もう一つネックとなるイベントがある。11月初旬に行われる米国の中間選挙だ。

 共和党が下院だけでなく、上院でも敗北を喫するような展開となった場合はトランプ米政権の求心力は一気に低下し、米株市場も短期的には波乱含みの地合いとなる可能性が高い。そこまで行かなくとも共和党の苦戦は不可避であり、不安定さを増す政権運営がマーケットにも影を落とすことになるだろう。年末にかけて米株安を引き継ぐ格好で、東京市場でも日経平均が下値を試す展開となりやすく、結果的に「午尻下がり」となるのが読み筋である。水準的には秋口の高値から1万円ほど下げて、5万9000円から6万円程度の水準で年内の取引を終えるのではないかとみている。

●AI・半導体関連のツルハシ銘柄に上値余地

 これらを踏まえた上で、個別株戦略としてはどこに目を向けるべきか。足もとで日米ともにAI・半導体関連に投資マネーが還流しているが、この流れは今年いっぱい続く公算が大きい。イーロン・マスク率いるxAIとの合併を経て宇宙とAIを融合させた巨大プラットフォーム企業となったスペースⅩや、ソフトウェア関連株に淘汰の波をもたらし時代の寵児となったアンソロピックなど、エポックメイカーの大型IPOが年内に控えている。これらがAIというコンセプトに改めて輝きとテーマ性を加え、関連銘柄の株価を刺激することになる。その際、物色対象として魅力的なのはプレーヤーではなくインフラを担う「ツルハシ銘柄」の方だ。

 例えば、ディスコ <6146> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]、レーザーテック <6920> [東証P]といった半導体製造装置関連の大手は、押し目を形成しつつも下値を切り上げていく上値追いトレンドが続きそうである。また、光ファイバーや光コネクターを製造するフジクラ <5803> [東証P]、古河電気工業 <5801> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]の電線御三家も引き続き注目度が高い。このほか、フィジカルAIの切り口ではファナック <6954> [東証P]や安川電機 <6506> [東証P]などにも目を配っておきたい。これ以外では、AI・半導体の素材や部材を製造する企業、三井金属 <5706> [東証P]や日東紡績 <3110> [東証P]なども要マークだ。

<プロフィール>(くぼた・ともいちろう)
 松井証券入社後、ウェブサイト構築や自己売買担当、投資メディア部長を歴任。YouTubeチャンネルやオウンドメディア「マネーサテライト」の立ち上げなどを手掛け、現職に至る。ネット証券草創期より株式市場を中心に相場を注視し続け、個人投資家の売買動向にも精通。チーフマーケットアナリストとして日々のマーケット解説を行う傍ら、「グロース市場信用評価損益率」や「デイトレ適性ランキング」など、これまでにない独自の投資指標を開発。また松井証券理事として、営業部門全体の方針策定にも参画している。

株探ニュース