中国規制当局はフェイスブックなどを運営する米国テック企業メタによるAIエージェント企業マナスの買収を禁止すると決めた。写真は両社のロゴ。[写真 ロイター=聯合ニュース]

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米中の間で人工知能(AI)技術のデカップリング(脱同調化)をこれ以上回避するのは困難との見通しが出ている。中国規制当局が米ビッグテックのメタが昨年買収した中国のAIエージェントスタートアップのマナスに対する投資を規定違反と判断して禁止してだ。

英紙フィナンシャル・タイムズは今回の措置に対し「北京が自国のテック業界に送った直接的なメッセージ」という社説を掲載し、中国の企業家と投資家に「AI技術は中国に置いておけ」という明確な指針を下したと評価した。同紙は「中国と米国の技術部門のデカップリングは双方ともに代償を払わせることになるだろう。現在の地政学的情勢を考慮すればある程度の技術デカップリングは避けられないかもしれない」と指摘した。

中国メディアは今回の決定を正当なものと主張した。中国中央放送(CCTV)は「企業の『海外ロンダリング』という不法慣行は禁止されている。外国人投資安全審査措置によると、創業者が支配する関連企業がすでに海外に移転していたとしても後続取引は依然として審査対象になる」と解釈した。

法的管轄権議論にも反論した。中国国粋主義性向の環球時報は28日、今回の禁止決定が中国の法律適用を外国に拡大したいわゆるロングアーム管轄権ではないという立場だ。新聞は「中国が関与した核心は会社登録地ではなくマナスの技術、人材、データと、中国の関連性、取引が中国の産業安全保障と発展利益に害を及ぼすかどうか」と説明した。

マナスの現在の本社所在地はシンガポールだ。シンガポール紙の聯合報は29日、「今回の事件はシンガポールでロンダリングを試みようとする海外テック企業に対する警告。規制回避など不適切な意図でシンガポールに進出しようとする企業を取り除く効果があるだろう」と予想した。

中国当局の禁止措置によりメタが事実上「無料」でマナスの技術を持つことになったとの指摘も出る。ブルームバーグは28日、「マナスはすでにメタとコードを共有しておりサービスに統合された。マナス創業者と投資家に対しメタに買収資金を返還するよう強制するのは米国企業に核心技術を無料で提供する以外に大きな成果はないだろう」と報道した。

シンガポール国立大学の陳波研究員は「今回のマナスの取引介入は未然の予防措置であるかもしれず、後の祭りかもしれない。どちらであっても安全保障が最優先というメッセージ」と話した。

中国外国人投資安全審査弁公室は27日、外国人のマナス投資禁止決定を発表した。自ら命令を実行するAIエージェント技術で「第2のディープシーク」と呼ばれ注目されたマナスは昨年7月にシンガポールに本社を移転し、同年12月にメタは20億ドル(約3193億円)でマナスを買収すると発表した。

メタは今回の買収を撤回する意向だ。中国はメタのフェイスブックとインスタグラムなどのサービスを「インターネット万里ファイアウォール」で遮断している。メタの2024年年間報告書によると中国で発生した売り上げは183億5000万ドルで、全売り上げの約11%を占めた。