今年の春の叙勲は県内で61人が受章しました。このうち旭日双光章を受章した尺八奏者の江藏義雄さんに今の思いを聞きました。

春の叙勲のうち、社会の様々な分野で顕著な功績をあげた人に贈られる「旭日章」には18人。公共の仕事に長い間従事した人をたたえる「瑞宝章」には43人が選ばれました。

地方文化の分野で旭日双光章を受章した尺八奏者の江藏義雄さん(84)です。江藏さんは、大手自動車販売店の経理を務めながら、30歳から尺八を始め、半世紀以上、毎日練習を続けてきました。音程を合わせるのが難しく、一人一人の唇の形で音色が変わる尺八に魅了されたといいます。「前が4つで後ろが1つ、これで36の音を出す。出すんじゃなくて音を作る。毎日音を出していないと音程が狂う。それほど微妙な生き物ですよね」(江藏さん)

2010年から県邦楽協会の理事長を務める江藏さんは、少子化の影響などで尺八の演奏者が減る現状を課題に感じてきました。「このままだと伝統文化なくなっちゃいますよ。だから小中学生を指導していかないと将来なくなっちゃうから。」(江藏さん)

20年ほど前から小学生に尺八を教えて発表する機会を設けてきた江藏さん。昨年度から高崎市の若い世代を対象に伝統文化を体験する施設で講師を務め尺八のすそ野を広げています。「私の役目は地域社会への貢献と後継者育成だけです。好きになってくれれば、それ終わるのではなくて、今度は本格的に琴の先生や尺八の先生についてもらって我々と一緒に演奏できればと思う」(江藏さん)