懸命に消火活動を続ける消防団員ら(26日、岩手県大槌町で)=永井秀典撮影

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 岩手県大槌町で発生した山林火災では、焼損範囲が拡大する中、住宅への延焼を食い止めるため懸命な消火活動が行われている。

 22日の発生以降、自衛隊ヘリや10県・市の防災ヘリが海から水をくみ上げるなどして700回以上、計220万リットル以上を散水。山際では東日本大震災後に再建された住宅にも炎が迫り、地元消防団らがギリギリの攻防を続けている。

 吉里吉里(きりきり)地区から燃え広がった赤浜地区では26日、住宅街から100メートルほどの地点まで火の手が迫った。震災の被災者が再建した住宅が立ち並ぶエリア。急行した大槌町消防団第2分団は新潟県の緊急消防援助隊と連携し、放水や防火水槽への注水作業にあたった。鈴木亨分団長(56)は「二重被災させるわけにはいかない。何としても炎を食い止める」と話す。

 近くの男性(68)は約5年前に自宅を再建したばかりで、ローンも残る。「消防団や消防職員がすぐに駆けつけてくれるので心強い」と消火活動を見守った。

 町消防団第1分団は22日の発生以降、約50人が交代しながら24時間態勢で活動している。山中を回り、くすぶっている落ち葉の下の火種を確認しながら消火にあたる。リアス海岸沿いの急峻(きゅうしゅん)な山々では、煙が立ちこめる中で火元に近づけないこともある。防火水槽などが近くにないため、約50本のホースをつなぎ合わせて1キロほど先に放水したこともあった。

 団員の石井一嘉さん(43)は「体力は限界だが、大好きな大槌を守るという一心で活動を続けている」と語り、別の分団の東谷輝一さん(53)も「絶対に民家に火を行かせない。一刻も早い鎮圧を目指す」と力を込める。

焼損面積は2日前の2倍近くに拡大

 岩手県大槌町の山林火災を県が26日、上空から調査した結果、焼損面積は24日時点の約730ヘクタールから2倍近い1373ヘクタールに拡大した。平成以降では昨年2月の同県大船渡市山林火災に次ぐ規模だ。避難指示も追加され、町人口の約3割にあたる1558世帯3257人に発令されている。

 焼損の内訳は小鎚地区338ヘクタール、吉里吉里地区1035ヘクタール。町内外6か所の避難所に、26日午後7時現在、92世帯200人が身を寄せる。26日は自衛隊のヘリコプター4機と他県の防災ヘリ6機が散水し、地上から約1400人が消火活動を続けた。気象庁などによると、27日午後は弱い雨が降る可能性がある。