コメダ珈琲で20代のころから「ゆる節約生活」続ける漫画家が選んだ「1000円台の贅沢」
ふだんの食事や外食で節約を意識
物価高の影響を受け、実に9割以上の人が日常的に節約を意識しているという。中でも「食費」や「嗜好品」といった、日々の小さな楽しみに関わる支出を抑える傾向が強まっているのが特徴だ。
直近3ヶ月に行った節約項目では、「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」が63.7%で1位。次いで「外食(49.0%)」、「衣類・靴・服飾雑貨(クリーニング代も含む)(40.2%)」という結果だった(2025年5月日本生活協同組合連合会(COOP)の組合員への調査より)。
値上げが続く中で、節約意識が高まるのは当然のことかもしれない。けれどその一方で、気づかぬうちに「楽しみ」を我慢し過ぎていないだろうか。好きなおやつやちょっとした外食をうまく取り入れながら、節約生活を続けられたら……。
そんな時に読みたくなるのが、おづまりこさんの『わたしの1ヶ月1000円ごほうび』シリーズ。今年3月に3巻目が加わった。
工夫を凝らした「1ヶ月食費2万円生活」で人気
著者のおづまりこさんは、20代で上京してから10年間ほど、年収200万円の生活だったという。金銭的には決して豊かとはいえない状況の中で、「1ヶ月食費2万円生活」というブログで、工夫を凝らした豊かな食生活を披露し、多くの共感を集めた。
その後、ブログをベースに本が出版され、人気漫画家に。『おひとりさまのあったか1ヶ月食費2万円生活』『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』(すべて、おづまりこ著/KADOKAWA)など、これまでの著書の累計は30万部になる。現在は「レタスクラブ」で連載中の本シリーズにおいて、「月に一度だけ、1000円台で自分を癒やす」というルールを実践している。
最新刊『わたしの1ヶ月1000円ごほうび3』(おづまりこ著/KADOKAWA)を紹介する連載記事の第4話。第1話ではカステラを「ひとりじめ」するという幼いころの夢を叶え、第2話では大好きな「ワンランク上のさつま芋菓子」を大人買い。そして第3話では、新幹線の旅のときだけの楽しみだったいなり寿司を自宅で味わい、日常の中に旅気分を持ち込んだ。
いずれも共通するのは、1000円台という枠の中で真剣に選び、全力で味わうという姿勢だ。それは単なる節約術ではなく、「楽しみをあきらめない」ための工夫でもある。
第4話では、お金をかけずに世界を広げる「読書」を満喫するための「1000円ごほうび」の使い方を紹介する。本の世界に没頭するために、おづさんが選んだのは、あえて自宅ではなく外の空間だった。
読書デーに必要な「甘いもの」
読書に集中したい日――おづさんの頭に浮かんだのは、なぜか「甘いもの」。本に集中して物語に入り込むには、糖分補給が欠かせない、という持論で向かったのは、「コメダ珈琲店」だった。
店内に一歩入ると、どこか懐かしい純喫茶の空気感が落ち着かせてくれる。ソファがふかふかで読書にぴったりなのもいい。
けれども、おづさんがこの店を選んだ何よりの理由が、「ミニシロノワール」とコーヒーのデザートセット。温かいデニッシュの上に、ひんやりとしたソフトクリームがたっぷりとのり、さらにシロップをかけて味わう。そのおいしさは、まさに三段階で進化する贅沢な一皿だ。
まずは、しっかりと甘いデザートセットを一口味わい、読書の時間もスタート。持参した原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を開き、ときどき甘味を挟みながらページをめくる至福の時だ。コーヒーを飲み干すころには、意識は現実から物語の中へ。気がつけば、すっかり本の世界の住人になっていたおづさんであった。
本編は著者の実体験に基づくエッセイです。商品・サービス内容、価格等は変更となる場合がありますのでご了承ください。
第5話に続く。
