集中できないのは「努力が足りない」からではない!「時間に追われる」人へ、集中力の誤解と意志に左右されない仕組みづくり
「いつも時間に追われている」
タスクに埋もれる日々に集中力が続かなかったり、生産性が下がってしまったりしてしまうと、ネガティブな気持ちになる。
エグゼクティブコーチ・吉川ゆりさんは、集中力や生産性を上げたいときに意志やモチベーションに頼ってはいけないという。
「時間がない」から解放されるノウハウを詰め込んだ、『なぜ、あなたは時間に追われているのか』(日経BP)から、集中を習慣にする「仕組み化」について、一部抜粋・再編集して紹介する。
意志に頼ると失敗する
今まで集中力や生産性を上げるための習慣を2万人以上の方にお伝えしてきました。そのなかには、実際に集中力を上げることができる人もいれば、できない人もいました。
また、最初はできても徐々にできなくなる人もいました。一体、彼らの違いは何なのでしょうか。
集中できないとき、人は「自分の努力が足りない」「意志が弱い」と思いがちです。「ほかの人はできるのに、自分はこんなこともできないなんて」と落ち込み、自分を責める人もいます。でも、原因は努力や能力の違いではありません。
それは、集中するための習慣を「仕組み化」できているかどうかです。
習慣を実行できる「仕組み化」を
習慣を「仕組み化」するとは、意志やモチベーションに頼らず、その習慣を自動的に実行できるような環境やルールを整えることです。
例えば、朝、目覚まし時計が鳴ってもなかなか起きられない人がいるとします。この場合、その人の意志が弱いから起きられないのでしょうか?
もしかしたら目覚まし時計の音量が小さすぎる、寝る前にスマホを見る習慣がついてしまっているなど、スッキリ目覚めるための「仕組み」が整っていないだけかもしれません。
同じように、集中できない時も、自身の周りの環境や、仕事の進め方のルールに問題が隠れている可能性があります。
集中力は「自律神経」も関係する
集中できない原因は、こうした外部環境の問題だけではありません。実は、集中できるかどうかには、私たちの体に備わる「自律神経」の働きも関わっていると考えられています。
自律神経とは、呼吸や心臓の動き、消化など24時間休まず体の機能をコントロールしている神経のことです。
自律神経には、覚醒状態を促し緊張状態のときに働く「交感神経」と、リラックス時に働く「副交感神経」の2つがあり、シーソーのようにバランスを取り合っています。
私たちが集中できないとき、心の中には不安や興奮などさまざまな感情が生じています。感情は自律神経とも連動しており、不安や興奮を感じているときはたいてい交感神経が過剰に優位になります。
集中するために適度な覚醒は必要ですが、交感神経がたかぶりすぎると、今度は逆に集中しにくくなることがあります。こうした状態をコントロールするのに、意志やモチベーションだけではなかなかうまくいきません。場面に応じて自然にシフトできるような「仕組み」が必要です。
実用本に書かれたノウハウを取り入れようとしても、なかなかうまくいかない。そんなときは「能力が足りないから」と自分を責めるのではなく、「行動が起こるための適切な仕組みが不足していたからだ」と捉えてください。
自分のせいではなく、仕組みのせいにするのです。この視点を持つことで、自己否定に陥らず、「では、どんな仕組みを作ればいいのか?」と前向きに改善策を考えられるようになります。
吉川ゆり
Mental Breakthrough Coaching(TM)スクール代表。社会を変える土台としての「人の変化の構造」を体系化し、経営者・リーダー・医療者・教育者・芸術家など変化を起こす人材を育てている
