福島の除染土、来年横浜で開幕する「国際園芸博覧会」の花壇などで活用へ…官邸や万博でも実績あり
東京電力福島第一原子力発電所事故の処理に伴って生じた除染土について、政府は2027年3月に横浜市で開幕する国際園芸博覧会(GREEN×EXPO)で活用する調整に入った。
放射能濃度が低い除染土を「復興再生土」として会場の花壇などに使う案が検討されている。大規模な国際イベントで安全性を広くアピールし、活用の促進に向けて理解醸成を図っていく考えだ。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。除染土は福島第一原発周囲の中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)に東京ドーム11杯分に相当する約1400万立方メートルが保管され、45年3月までに福島県外で最終処分を完了させることが法で定められている。
環境省によると、保管量の4分の3を占めているのは、放射能濃度が1キロ・グラムあたり8000ベクレル以下の復興再生土。近くで作業しても被曝(ひばく)線量は年間1ミリ・シーベルト以下で、国際的な安全基準に合致している。活用のめどが立たないなか、政府は昨年から首相官邸の前庭や東京・霞が関の中央省庁敷地内の計10か所で68立方メートルを使用しており、地方の出先機関などでも活用を進める計画だ。昨年の大阪・関西万博では復興再生土を使い、アケビなど12種類の草木を植えた鉢植えが展示された。
公益社団法人・国際園芸博覧会協会が主催する園芸博は来年3月から半年間、横浜市瀬谷、旭区にまたがる米軍施設跡地の100ヘクタールほどが会場となり、1000万本の花や植物で彩られる。61の国・国際機関が参加を予定するなか、自民党内からも「国家事業の園芸博で復興再生土の活用は大きな意義がある」との声が上がる。
放射能濃度が比較的高い除染土を含め、政府は最終処分場の候補地を「2030年頃に選定・調査を始める」としており、復興再生土の活用を通じて国民の理解を進め、最終処分の実現につなげる狙いだ。
