なぜ今アラサー&アラフォーアイドルが熱い?純烈「モナキ」vs秋元康「SHOW-WA&MATSURI」真逆のプロデュース戦略

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純烈の弟分として誕生したアイドルグループ「モナキ」が、デビュー直後からSNS再生回数約8億回、ファンイベントに数千人が殺到するという異例のブレイクを果たしている。

平均年齢33歳超、「カッコつけない」謙虚さを貫くスタイルと、TikTokを軸にした積極的なネット戦略、そして女性アイドルグループとの「踊ってみた」コラボが相乗効果を生んだ形だ。

プロデュースするのは純烈リーダー・酒井圭一。同じくアラサー&アラフォー世代の再挑戦を掲げる秋元康プロデュースのSHOW-WAやMATSURIと路線は似ているようで、その中身は大きく異なる。後編では、各グループごとの違いと、それぞれが支持される理由を掘り下げていく。

前編記事『純烈の弟分「モナキ」がSNS8億回再生の快挙!アラサー&アラフォーグループが異例のブレイクを果たした理由』より続く。

メディアで実績を積み上げる戦略

一方、SHOW-WAとMATSURIは「昭和歌謡・昭和ポップスを現代に」という使命を掲げて2023年7月に結成。同年12月、メジャーデビューを前に日本全国のイオンモールをめぐるツアーから本格的な活動をスタートした。

さらに2024年1月から昼の生放送帯番組『ぽかぽか』での生歌唱がスタート。SHOW-WAの1000人集客企画、デビューを賭けたSHOW-WAとMATSURIのガチンコ投票、敗れたMATSURIの2万人超署名企画を経てそれぞれデビューを果たした。

両グループはすでに全国ツアーを成功させているほか、昨年末には『第67回 輝く!日本レコード大賞』(TBS系)新人賞を受賞。今春は合同シングル『ジューンブライド』がドラマ『夫婦別姓刑事』(フジテレビ系)の主題歌に起用されたほか、MATSURIの松岡卓弥がドラマ『10回切って倒れない木はない』(日本テレビ系)のメインキャストに名を連ねた。ちなみにそのドラマ2作は秋元が企画を担った作品であり、効率的なプロモーションが行われている。

SHOW-WAとMATSURIのイベント会場にも何度か訪れたことがあるが、どちらも熱気たっぷり。着実にオリジナルを増やしているものの、まだまだ往年の名曲を披露することが多く、メイン支持層の30〜60代女性を引きつけている。彼らのファンに話を聞くと、SHOW-WAはまじめさ、人懐っこさ、立ち姿の美しさ、MATSURIは歌のうまさ、仲間を思う熱さを魅力としてあげる人が多かった。

彼らが目指しているのは、モナキのような「カッコつけない」「ちょっとダサい」ではなく、カッコイイ大人のアイドルであって、だからこそ歌も踊りもストレートなアプローチが目立つ。どちらもファンサービスに熱心で謙虚だが、アイドルとファンの距離感は保たれ、モナキの「ラウンド」ほどの近さはいい意味で感じない。

また、リリースイベントにおけるハイタッチ会やタロット風カードのお渡し会も盛況で、『ぽかぽか』と絡んだ有料配信ライブ、写真集の発売なども含め、そつなく稼ぐエイベックスらしさを感じさせられる。ファンの心理や行動傾向などはさまざまな点で若年層グループの推し活に近いのかもしれない。

帯番組での生歌唱、音楽賞の受賞、バラエティやドラマへの出演などは、「さすが秋元康」と思わせる力強いプロデュースであり、着実かつ王道を歩んでいるように見える。この点はネット戦略を重視したモナキとは真逆と言っていいのではないか。

「どちらも成功」の可能性も十分

モナキを輩出した「セカンドチャンスオーディション」は約1000人が参加し、SHOW-WAとMATSURIを輩出した「夢をあきらめるな!男性グループオーディション」は3000人超が参加したという。それぞれ1000分の4、3000分の12という割合は奇しくも同じであり、そもそもオーディション立ち上げの時期も2023年とほぼ同じ。

業界内で活躍の場を確保し、徐々にポジションを上げていく秋元プロデュースと、SNSとラウンドの併用で直接的な支持をつかもうとする酒井プロデュースの違いは大きい。両者の歩みがこれほど違うものとなったのは、やはり「誰を選んだか」と同等以上にプロデュース戦略の違いによるものなのだろう。

筆者はそれぞれのイベントを見て、何度かメンバーと会話を交わしたこともあるが、どちらからも年齢や性別を超えて応援したくなるような人柄と懸命さが感じられた。モナキ、SHOW-WAとMATSURIがそれぞれ目指す『NHK紅白歌合戦』にたどり着くのは果たしてどちらなのか。少なくともモナキの登場によって両者が否応なしに比べられる状況になったことは間違いない。

ただ毎年多くのグループがデビューして「飽和状態」という声もあがる若年層と比べたら、アラサー&アラフォーのグループはブルーオーシャン。また、STARTO勢は若返りを進めている最中であり、他事務所では「海外志向を強めているボーイズグループが多い」という背景も追い風になるかもしれない。

これらを踏まえると、モナキ、SHOW-WAとMATSURIの両方が成功を収める可能性もありそうだ。高齢化社会が進む中、彼らがアイドルグループの中心に立つことができるのか。両者にとって大切な年になるだろう。

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