JRT四国放送

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自転車競技「BMX」の元世界チャンピオンが、藍住町にいるのをご存じでしょうか?

プロライダーとして第一線で活躍を続けながら、後身の育成にも情熱を注ぐ男性の姿を取材しました。

小型で頑丈な専用の自転車を操り、芸術性の高い技を次々と繰り出す「BMXフラットランド」。

2026年2月に徳島市で行われたストリートスポーツの祭典「アーバンスポーツフェスタ」で観客を虜にしていたのが、藍住町出身のBMXプロライダー森崎弘也さん48歳です。

森崎さんは、自転車競技「BMX」の種目のひとつ「フラットランド」の第一人者。

高校2年生の時に独学でBMXを始め技を磨くと、2007年には3か国を転戦して行われた「世界サーキット」の初代チャンピオンに輝きました。

その後も、国際大会で優勝を重ね、48歳となった今も現役を貫くまさにレジェンドです。

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「(年齢的には)アスリートとしては大変というか部分もあるが、年齢は数字としてしかとらえてなくて、意識していない」

森崎さんが主戦場とする「フラットランド」は、その名前のとおり平らな地面で行う競技。

自転車とともに回転し、タイヤの上でバランスをとったり、自転車を体の一部のように操り、芸術性の高い技「トリック」を競い合うスポーツです。

基本的なトリックは、両足が一度自転車から離れる「ジャンプ系」トリックや、ペダルを使わずタイヤを足でけって加速する、「スカッフ系」トリック。

見る人をくぎ付けにする「スピン系」トリックなど5種類ですが…。

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「技と技を組み合わせていろいろできる。しかも自分のオリジナルトリックとか作ることもできる。(技は)無限に存在すると思う」

これは、「トランスファー系」と呼ばれるトリック。

前輪から後輪、後輪から前輪へと飛び移る技です。

今では、スタンダードなトリックとして多くの選手が取り入れていますが、実は20年以上も前に森崎さんが編み出したそうです。

その迫力と美しさから、「自転車競技のフィギュアスケート」とも称される、BMXフラットランド。

森崎さんの武器は、迫力のある空中技や、まるで自分の手足のように自転車を操る、圧倒的なパフォーマンスです。

国内の第一人者として、フラットランド界をけん引している森崎さんのことを、まわりの選手たちは尊敬の気持ちを込めて「キング」と呼んでいます。

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「絵とか音楽みたいに自分の作ったトリック、自由なんで、自由に作ったものをみんなに楽しんでもらったり、表現の仕方が魅力的で面白い」

長く東京を拠点に活動していた森崎さんですが、2年前に生まれ故郷の藍住町に戻り、実家の納屋を改装してBMXのスクールをはじめました。

地元にもっと、BMXの魅力を広めたいと考えたからです。

スクールは、少人数制のグループレッスン。

自転車に乗れる年齢から大人まで、それぞれのレベルに応じた指導を行っています。

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「おしいな、もう少し、もう少しなんだよな」
「ここで右に体重が乗っかりすぎているから、右足からこっちに体重を移さないといけない」

上達のペースは人によってさまざま。

森崎さんは1人1人の習熟度を見極めながら、その人に合った最適な練習法をアドバイスしています。

上手くできたら褒める、否定的な言葉は使わない。

誰もが楽しみながら練習できるよう心がけています。

(スクール生)
「面白いです、バランス感覚が鍛えられた」

(記者)
「先生のどんなところが好き?」

(スクール生)
「優しい」

(スクール生)
「ダイエット効果も」
「体重は減ってないが、体組成計で年齢が3つ若くなった」

地元でのBMXの知名度を高めるために始めたスクール。

しかし、新しい仲間が増えた今は、「一人の選手」として新たな夢が芽生えてきたといいます。

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「もう一度、世界チャンピオンになりたいという夢と同時に、今来てもらっている生徒の中から、もしくはこれから始めるであろう人たちの中から、世界チャンピオンが生まれて欲しい」

(記者)
「コンテストの決勝で教え子と戦うなんていうのも?」

(BMXプロライダー・森崎弘也さん)
「それやばいですね、そうなったらそれでも手は抜かないですね多分。その上で(自分を)超えて行って欲しいなと思います」

48歳はただの通過点。

再び世界の頂点に立つ時、その表彰台の隣には教え子の姿があるかもしれません。

キング・森崎さんの挑戦はまだまだ続きます。