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Alexa+で購入件数が3倍に Amazon が本気で仕掛ける「会話型コマー…
Alexa+で購入件数が3倍に Amazon が本気で仕掛ける「会話型コマース」
Alexa+で購入件数が3倍に Amazon が本気で仕掛ける「会話型コマース」
記事のポイントAlexa+での購入件数は旧バージョンの3倍に達し、レシピ活用は5倍に増加している。すでに数千万人のプライム会員がAlexa+を利用し、インタラクションは以前の2倍に。Amazonは会話型AIをプライム特典全体をつなぐインターフェースとして位置づけている。
Amazonによると、同社が進める生成AIへの取り組みはすでに人々の音声アシスタントとのやり取りを変えつつあり、新たにリリースされたAlexa+(アレクサプラス)を通じた購入件数は、旧バージョンと比較して3倍に達している。これは、Alexaの生成AIアップグレードが、音声インターフェースを通じた買い物のあり方を大きく変える可能性を示す兆候である。音楽の再生や天気の確認など、主に単一のコマンドを処理していた旧バージョンとは異なり、Alexa+はより複雑で会話的なリクエストに対応。さらに、マルチステップのタスクをこなし、買い物リストの作成、注文、レストランの予約などのアクションを実行できるよう設計されている。Alexa+はプライム体験を束ねる「単一インターフェース」として拡張 Amazonにとって、Alexa+は音声アシスタントを生成AI機能でアップデートし、ショッピング、エンターテイメント、食料品注文などのプライム特典を通じた顧客のインタラクションを拡大する取り組みの一環である。Amazonの幹部は、Alexa+を単独の機能ではなく、単一のAIインターフェースを通じてさまざまなプライム特典を結びつけるレイヤーとして位置づけている。「Alexaはつねにそばにいるよう設計されている。環境に溶け込み、継続的で、ひとりの人間だけでなく家族全員のためにつくられたものだ」と、Amazonプライムのワールドワイドベネフィット、プライシングおよびコンストラクツ担当ディレクターであるモズ・トーマス氏はインタビューで述べた。Amazonは2026年2月初旬にAlexa+を米国の顧客に広く提供を開始 した。同社が10年の歴史を持つ音声アシスタントを生成AI機能で近代化する取り組みの一環として、2025年に開始した早期アクセスプログラムを超えて利用範囲を拡大した形だ。2026年1月には、ユーザーがAIアシスタントと直接やり取りできるスタンドアロンのAlexa+のWebサイトも導入し、OpenAIのChatGPTなどほかのチャットボットとのより直接的な競争に乗り出した。それまでAlexa+は主にAlexaアプリと一部のEchoデバイスで利用可能だった。このアップデートは、Alexaをプライム特典やサービスのより中心的なインターフェースにすることも意図している。プライム会員であれば無料で利用でき、年間サブスクリプション料金は139ドル(約2万850円)である。トーマス氏によると、Alexa+は日常的な食料品の補充からより探索的な購買まで、幅広いショッピングシーンに対応し、家庭内の活動の調整にも役立つよう設計されている。たとえば、同氏はModern Retailに対し、Alexa+を使って息子の誕生日プレゼントのアイデアを出し合い、最終的にエレキギターに決め、価格が一定額を下回ったら自動的に購入するようアシスタントに依頼したと語った。Amazonは特に、共有の買い物リストの管理や、従来の検索ではなく自然な会話を通じた商品の発見など、AIが日常のタスクを簡素化する方法に注力している。トーマス氏はModern Retailの取材に対し、米国での展開から1カ月後の導入状況、Alexa+がショッピング行動をどう変えているか、そしてAmazonが、会話型AIを顧客とプライムのやり取りにおける主要な手段になり得ると考える理由について語った。なお、このインタビューは長さと明瞭さのために編集されている。◆ ◆ ◆
――AmazonはAlexa+を2月初旬に米国のすべてのユーザーに提供すると発表した。1カ月後の導入状況はどうか? 「すでに数千万人の会員が利用しており、毎週増え続けている。顧客は毎週ますますAlexaに話しかけるようになっており、通常、最初の蜜月期間が終わると伸びが鈍化するものだが、今回はインタラクションが増え続けており、顧客は以前の2倍Alexaに話しかけている。新しいテクノロジーが登場すると、人々は試してみて、『はい、おしまい』となるものだ。目新しさが終わってしまう。それは、そのものが役に立たなかったり、実際に何かをやり遂げてくれなかったりするときに起こりがちだ。しかし、Alexaの場合は、音楽を再生したり、適切なコンテンツを探したり、実際にさまざまなことを実行できるため、利用が停滞するのではなく、使い続けるうちにエンゲージメントが深まっていくのが見て取れる」。――Alexa+はショッピング行動を具体的にどう変えているのか? 「我々は検索してクリックする世界から、会話型コマースへと移行した。数字がこれを裏付けている。顧客はデバイスでの購入を、旧バージョンのAlexaと比較して3倍完了している」。――より広い視点でいうと、Amazonはオンライン食料品注文と配送に大きな力を入れてきた。Alexa+は人々の食料品の買い方にどう関わっているのか? 「Amazonでは、食料品の買い物を3つのタイプのミッションに分けている。1つ目は今すぐ何かが必要なとき。2つ目は補充が必要なとき。そして3つ目は毎週すべての食料品を補充する必要があるときだ。Alexa+は3つすべてに対応するよう設計されている。1週間を通じて共有の家庭用リストを作成することも、レシピや食材の提案を取り込むことも、『30分以内に届くものは何?』と聞いて急ぎの配達を注文できる。私自身も、冷蔵庫を見て使い切る必要のある食材がバラバラにあることに気づくことがある。前回はブロッコリーと牛肉だったので、Alexaに『これらの食材を使ったレシピを教えて』と聞いた。すると、いくつかの素晴らしい選択肢が返ってきた。私がケトジェニックダイエットを心がけていることを知っているので、そのタイプのレシピを提案してくれるし、前回の買い物注文からまだ手元にあると思われる食材をフラグ付けできる。このようなヒントが顧客にとってより魅力的なものにしていることがわかっており、顧客は旧バージョンのAlexaと比較して5倍、Alexa+をレシピに活用している」。――Alexa+を使っているプライム会員と使っていないプライム会員のあいだで、エンゲージメントに違いは見られるか? 「Alexa+を使う人は、複数の特典に対して利用する。その理由の一端は、各特典をより豊かで深い体験にしてくれるからだ。第1位は音楽で、音楽面でのエンゲージメントがはるかに高い。ショッピングは時間とともに成長してきたが、特に今回のリリースで、先ほど述べたように大きなステップジャンプが見られている。Alexa+がほかの特典と異なるのは、単にラインアップに加わった特典のひとつではない点だ。ユーザー体験全体を繋ぐ水平方向の接着剤のような役割を果たしている。なぜなら、人々がほかのすべての特典を発見しアクセスするためのユーザーインターフェースであると同時に、ほかのすべての特典にも組み込まれてもいるからだ。ショッピングアプリのAI、動画アプリのAI、音楽アプリのAIなどを考えると、必要なときにそこに組み込まれている。Alexa+はすべてのプライム特典にわたる体験を向上させるのだ」。――Echoデバイス、モバイルアプリ、ブラウザなど、チャネル別のAlexa+の利用状況はどうか? もっとも利用が伸びているのはどのチャネルか? 「もっとも大きな反響を得ている分野については共有できないが、一部の人にとって、Alexa対応デバイスはスマートホームを持っている人だけが手に入れるもののように感じられていたかもしれない。しかし、実際にはAlexaは非常に幅広いことに役立ち、今では多くの顧客がAlexa.comでAlexaを体験している。毎週ますます多くの顧客がAlexa.comを試しており、一度試すと、より頻繁に使うようになる。大多数の顧客は、意見交換、個人的な意思決定、ブレインストーミング、コンテンツ作成など、多岐にわたる内容について充実した会話をしている。Echoデバイスでもこのような利用は見られるが、レシピの代替品探し、日用品の注文、音楽再生など、より素早く実用的なエンゲージメントも多い」。――Alexa+が人々のプライムとのやり取りの中心になる未来を想定しているか? 「Alexa+はいずれ世界中に展開される。最終的には、アクティブなプライム会員の100%が何らかの形でAlexa+を利用するようになると予想している。Echoデバイス上で直接利用するか、あるいは普段利用しているサービスの一部として組み込むかのどちらかの形でだ。Alexa+をEchoデバイス上だけのものとして考えるべきではない。ショッピング、写真の閲覧、動画の視聴、音楽の視聴、ゲームなど、どこにいてもすべてにAlexa+が組み込まれるようになる」。[原文:Marketplace Briefing: Amazon says customers make three times more purchases on Alexa+ than its predecessor]Allison Smith(翻訳、編集:藏西隆介)Image via Miu Miu/Amazon