アメリカの宇宙企業Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース、以下ファイアフライ)は日本時間2026年3月12日、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から小型ロケット「Alpha(アルファ)」の打ち上げに成功しました。Alphaの打ち上げは通算7回目(FLTA007)で、ミッション名は「Stairway to Seven」です。ロッキード・マーティン向けの実証ペイロードを所定の軌道へ投入しました。Alphaの打ち上げは2025年4月以来、約11か月ぶりとなります。


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打ち上げに関する情報は以下の通りです。


打ち上げ情報:Firefly Alpha(FLTA007 / Stairway to Seven)

・ロケット:Alpha Block I
・打ち上げ日時:日本時間 2026年3月12日 9時50分
・発射場:ヴァンデンバーグ宇宙軍基地(アメリカ)
・ペイロード:ロッキード・マーティン向け実証ペイロード


今回の打ち上げは、2025年4月に実施されたフライト6の失敗を受けた飛行再開ミッションです。フライト6ではロッキード・マーティンの技術実証衛星「LM 400」を搭載していましたが、段間分離時の異常により所定の軌道に到達できず失われています。さらに2025年9月には、今回のフライト7に使用予定だった第1段機体がテキサス州の試験施設での地上燃焼試験中に失われる事象も発生しました。ファイアフライはこの原因について、設計上の問題ではなく、第1段の組み立て工程で微量の炭化水素汚染が生じたことによるものと結論づけています。


同社は製造ラインにあった別の第1段機体をフライト7に充て、流体系統の検査要件の強化や第1段センサーの改良、自動停止機能の追加といった是正措置を実施しました。機体はヴァンデンバーグ宇宙軍基地へ搬入された後、2026年2月6日に発射台上で第1段エンジン「Reaver(リーバー)」4基による20秒間の静止燃焼試験を完了し、打ち上げ準備を整えました。当初は2月末の打ち上げを予定していましたが、複数回の延期を経て3月11日(現地時間)の打ち上げとなりました。


【▲ ヴァンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられたファイアフライの「Alpha」ロケット(FLTA007)(Credit: Firefly Aerospace / Sean Parker)】

今後はBlock IIへアップグレード

今回のフライト7は、現行のBlock I構成で飛行する最後の機体となります。ファイアフライは次のフライト8から「Block II」へのアップグレードを予定しており、機体の全長延長(約2.1m増)、自社開発のアビオニクスや熱防護の改良などにより、信頼性と製造効率の向上を図るとしています。フライト7ではBlock IIに先行して自社製アビオニクスと改良型熱防護システムの一部を搭載し、飛行中の検証を行う目的も兼ねていました。ファイアフライによると、これらの新システムは今回の飛行で正常に機能したとのことです。また、第2段エンジンの再着火にも成功しています。


Alphaはファイアフライが開発した2段式の小型ロケットで、全長約29.5m、低軌道(高度300km)への打ち上げ能力は約1030kgです。推進剤には液体酸素とRP-1(ケロシン系燃料)を使用し、第1段にはタップオフサイクルの「Reaver(リーバー)」エンジン4基、第2段には「Lightning(ライトニング)」エンジン1基を搭載しています。機体構造には炭素繊維複合材が採用されています。


【▲ テキサス州ブリッグスの試験設備に据え付けられたAlpha Block IIの第2段(Credit: Firefly Aerospace)】

 


文/sorae編集部 速報班 編集/sorae編集部


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