主演作がヒットも「キムタク」が映画賞に驚くほど縁がない理由…原点は20年前の“ノミネート辞退”騒動
キムタクのノミネートはナシ
3月13日に各部門の最優秀賞が発表される「第49回日本アカデミー賞」だが、すでに最多の12部門16賞を、大ヒット公開中の映画「国宝」が受賞。それに次いで「爆弾」が11部門、「TOKYOタクシー」が10部門、「宝島」が8部門で受賞した。
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そのうち、山田洋次監督(94)の最新作で、昨年11月に公開された「TOKYOタクシー」は優秀作品賞に加え、倍賞千恵子(84)が優秀主演女優賞などを受賞した。同作は2022年製作のフランス映画「パリタクシー」が原作で、人生の喜びを描いたヒューマンドラマ。
木村拓哉(53)演じるタクシー運転手の宇佐美浩二は、倍賞演じる85歳の高野すみれを東京・柴又から神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。すみれの指示で宇佐美が各地へタクシーを走らせ、旅を共にするうち、次第に心を許したすみれから語られたのは、彼女の意外な過去。タクシー運転手と客、偶然出会った2人の心、そして人生が大きく動き始める――というストーリーだ。

「宇佐美とすみれのタクシー車内での会話を中心に、ストーリーが展開します。これまで数々の映像作品で主人公を演じた木村さんですが、今作ではすみれの話を聞き、その心に寄り添う役を好演しました。『日本アカデミー賞』の場合、女性の俳優が主演の作品では、その作品で主演クラスの見せ場があった俳優が『優秀主演男優賞』を受賞したり、そのまま最優秀主演男優賞を受賞したりすることがあります。なので、木村さんがそうなってもおかしくなかったのですが、優秀助演男優賞さえ受賞できませんでした」(映画担当記者)
木村の映画キャリアを振り返ると、主演映画の「HERO」シリーズ2作(07年、15年)、山田監督作品の「武士の一分」(06年)、東野圭吾氏原作の小説を映画化した「マスカレード」シリーズ2作(19年、21年)などがヒットしている。
しかし、映画賞受賞歴となると、「武士の一分」での「第20回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞」の主演男優賞、「マスカレード・ナイト」での「第46回報知映画賞」の主演男優賞など、数えるほどしかない。そして、「日本アカデミー賞」に関しては、驚くほどに縁がないのだ。
「そうなったのも仕方なく、やはり2006年のあの一件がいまだに『日本アカデミー賞』の主催者側との間で尾を引いているようです。投票権を持つ大手映画会社の社員たちも、その件を重々承知なので、現状のままだと受賞のハードルは高いでしょう」(同前)
その一件とは、「武士の一分」に関して、木村の所属事務所による前代未聞の“ノミネート辞退騒動”だった。
無冠の帝王に?
「当時、所属していたジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)、その中でも特にSMAPのメンバーたちは、他の事務所のタレントと比較審査されるような音楽賞や映画賞から距離を置いていました。現在も『日本レコード大賞』にほとんど関わってないのはそのためです。『武士の一分』に関しても、事務所側は優秀主演男優賞の受賞を辞退。それどころか、在京スポーツ紙の記者が選ぶ映画賞『ブルーリボン賞』のノミネートも辞退していました。当然、両映画賞に関わる関係者は快く思わず、両映画賞には長らく旧ジャニーズ勢は選ばれませんでした」(映画業界関係者)
ところが後年、現在は個人事務所で活動する嵐の二宮和也(42)と岡田准一(45)が、何事もなかったかのように「日本アカデミー」で優秀主演男優賞・最優秀主演男優賞、「ブルーリボン」では主演男優賞を受賞した。
「結果的に木村さんの“辞退損”となってしまいました」(同)
それでも、木村にはその後も続々と大手映画会社から主演オファーが舞い込み、主演映画2部作の後編「教場 Requiem」は、8日までに興行収入18億円を突破し、ヒット作となった。
また、テレビ各局で主演の連ドラは毎年のようにこなし、直近の作品は24年4月期のテレビ朝日系「Believe−君にかける橋−」。最近ではキャリア史上初の銀行CMとなる「三菱UFJフィナンシャル・グループ」のCMが放送中。自身のYouTubeチャンネルの登録者数は224万人(3月10日現在)に達するなど、その人気ぶりは相変わらず不動だ。
「米『アカデミー賞』や、カンヌ・ヴェネチア・ベルリンの世界三大映画祭などで受賞すれば、それなりに価値があります。しかし正直なところ、日本国内で映画賞を受賞しても、配給元にとってはあまり興行的なメリットがないのが現状。なので、映画賞に縁がなくても、木村さんを起用するのはヒットへの“近道”なのです」(同前)
そんな中、日本でもヒットした香港映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」の3作目に木村の出演が予定されていたが、日中関係の緊張が影響し、代役の俳優が立てられたことを今月6日、香港メディアが報じた。
「木村さんといえば、アジア映画界のオールスターをそろえ、カンヌのコンペティション部門に出品された『2046』(04年)で海外デビューを果たしましたが、出演時間は5分ほど。その後、09年に日本公開されたハリウッドスター、ジョシュ・ハートネット(47)主演の『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』に出演したものの、あまり話題になりませんでした。23年から動画配信サービス・Huluで配信中の、ドイツ製作のドラマ『THE SWARM/ザ・スウォーム』でもチョイ役で目立ちません。今回も日中関係の影響によりチャンスを逃すことになりましたが、国内での人気・知名度は絶大なので、“無冠の帝王”と呼べる唯一無二の存在になるのでは」(先の映画記者)
デイリー新潮編集部
