「テキーラ32杯事件」見直される、高アルコール飲料の危険性
2日、愛知県名古屋市でテキーラを大量に飲ませて泥酔させた後、性交しようとし、その後死亡させたとして準強制性交致死とわいせつ目的略取の罪に問われていた40代男性の裁判員裁判初公判が行われた。
本件は2023年5月に、名古屋市中区のバーで客として訪れた被告男性が初対面だった20代の女性に対し「まだ飲めるでしょ」とあおり約90分間にテキーラ32杯を飲ませた後、ホテルへと移動し性交に及ぼうとしたが、女性は重篤な状態になっているのに気がつき断念。女性は同年6月21日、急性アルコール中毒による低酸素脳症で死亡した。被告男性は「亡くなったことは事実だが、わいせつ目的は一切なかった」と否認している。
ネットでは「テキーラを32杯飲ませる」という事実に注目が集まり、「なぜそんなに飲ませたのか」「飲んだ女性も逆にすごい」「90分間で32杯は相当無理な飲み方しないと無理」とその酒量が大きな話題となった。
テキーラのアルコール度数は40%前後と、市販されているアルコール飲料のなかでも高いとされており、店によっては「ショット(約30ml)1杯につき水1杯を飲む」ことが推奨されており、もともと大量に飲むことが想定されていない酒と言える。そのため、一部の店では「罰ゲームメニュー」として提供されていることも多い。
現にテキーラによる酩酊事故やアルコール中毒は、国内でも複数発生しており、2012年には大阪市のホストクラブにて当時21歳の男性ホストがテキーラ5杯を飲み急性アルコール中毒で卒倒。救急搬送されたが死亡した事件のほか、2020年11月には東京・恵比寿の高級ラウンジで「テキーラのボトルを15分以内に空ければ賞金が貰える」というゲームに挑戦した女性が死亡するなどしている。
また、テキーラはアルコール度数が強いため、2022年8月に佐賀県でテキーラをショットグラスで5杯飲んだ20代の男性が、酩酊状態で車を運転し時速40キロメートル制限の車道を90キロメートルで走って人身事故を起こすなど、判断力が大きく低下したことで発生する事故も少なくない。
基本的にはアルコールを飲み慣れていない20代の男女が自分のキャパシティーを超えた飲酒を行う事で事故が発生するケースが多く、また前述の通り「罰ゲームメニュー」として使用される事もあるため、現在では「イッキ飲み防止連絡協議会」ほか様々な団体が発足し注意を促しているという。
