嶋津輝『カフェーの帰り道』が第174回直木賞受賞 大正から昭和を生きた女給を描き出す

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 嶋津輝『カフェーの帰り道』(東京創元社/2025年11月12日刊)が第174回直木賞受賞作品に選ばれた。

【写真】『カフェーの帰り道』著者・嶋津輝

 東京・上野の片隅にある、あまり流行っていない「カフェー西行」。食堂や喫茶も兼ねた近隣住民の憩いの場には、客をもてなす個性豊かな女給がいた。竹久夢二風の化粧で注目を集めるタイ子、小説修業が上手くいかず焦るセイ、嘘つきだが面倒見のいい美登里を、大胆な嘘で驚かせる年上の新米・園子。彼女たちは「西行」で朗らかに働き、それぞれの道を見つけて去って行ったが……。大正から昭和にかけ、女給として働いた“百年前のわたしたちの物語”。

 時代を映す鏡であった仕事「女給」を通し、大正から昭和を生きた市井の女性の人生を描き出した作品だ。

 著者・嶋津輝(しまづ・てる)は1969年東京都生まれ。2016年「姉といもうと」で第96回オール讀物新人賞を受賞。19年、同作を含む短編集『スナック墓場』で書籍デビュー(文庫化にあたり、『駐車場のねこ』と改題)。25年刊行の『カフェーの帰り道』で第174回直木賞受賞。他の著作に『襷がけの二人』がある。『猫はわかっている』『私たちの特別な一日 冠婚葬祭アンソロジー』などのアンソロジーにも作品が収録されている。

(文=リアルサウンド ブック編集部)