クルマの「正月飾り」なぜ減った? 過去に「古臭い」「処分に困る」声も… 最近若者が「あえて」注目する理由とは
「クルマの正月飾り」なぜ激減? 実は若者に「あえて」ブーム到来か
かつて、お正月になるとクルマのフロントグリルに「しめ飾り」をつける光景は当たり前のものでした。
しかし令和の今、その姿は激減し、SNSなどでは「絶滅危惧種」などと囁かれることもあります。
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なぜ、最近では見かける機会が減ってしまったのでしょうか。
お正月を迎えると、街ゆくクルマのフロントグリルにミカンやしめ縄が飾られている光景は、日本の年末年始における定番の光景でしたが、ここ数年でそうしたクルマを見かける機会はめっきりと減りました。
本来、クルマへの正月飾りは、交通安全や家内安全、五穀豊穣などの願いを込めた縁起物として定着。
しかし現在では、SNS上で「昭和の頃は当たり前だったが、最近はきっぱり見なくなった」といった声が挙がるほど、その存在感は薄れているようです。
大きな要因の一つとして挙げられるのが、クルマのデザインの変化と装着の手間です。
かつてのしめ飾りは、フロントグリルやバンパーにワイヤーや結束バンドを使って固定するのが一般的でした。
しかし、現代の流麗なデザインのクルマには物理的に取り付けにくい場合や、デザイン的にマッチしないと感じるユーザーもいます。
また、そもそも正月飾りを取り付けること自体や、終わったあとの処分方法について「面倒くさい」と感じる層も一定数いるようでこれらの要因も、敬遠される理由の一つとなっているようです。
ではそもそもお正月飾りとはどのようもので、正しい処分方法とはどのようなものなのでしょうか。お正月飾りなどを取り扱う店舗の担当者は、次のように話します。
「正月飾りは、開運・招福を願うもので昔から『清められた所に邪悪なものを入れないよう』にという意味で飾られてきたものです。
また、五穀豊穣、商売繁盛、天下豊楽、身体壮健を喜び、『いつまでも家庭に災禍なく平穏であるよう』にという祈願の意味も表しています。
お正月が終わった後については、松の内が終わる1月7日(地域によっては15日)にお飾りを外し、神社やお寺で焚き上げてもらいます。
もしお焚き上げができない場合は、お塩とお酒で清めた後に白紙で包み、感謝の気持ちのもと、地域の分別方法に従い処分してください」
お正月飾り…ライフスタイルの変化で再注目? 若者が付けたがる理由は?
若者のクルマ離れやライフスタイルの変化も、減少に拍車をかけています。
前出とは別の、しめ縄飾りを制作する業者によると、特に都内では若者の自動車保有率が下がっていることに加え、マンション暮らしなどで門松やしめ縄を飾る習慣自体が家庭内で引き継がれなくなっている現状があるといいます。
その一方で、現在でもバスやタクシーといった商用車では、変わらず正月飾りをつけて運行している姿が見られ、法人需要としては一定数残っているようです。
このように以前よりは見かけなくなりつつあるクルマの正月飾りですが、実はここに来て新たな動きが見え始めています。
前出の縄専門店の担当者は、近年の動向について次のように語ります。
「ここ10年で全体的には減っている印象ですが、最近では若い人を中心にSNSで映えることからあえて付けるという人もおり、ブーム的な波がある印象です」
かつては「古臭い」と言われたかつての風習が、一周回って「レトロで可愛い」「エモい」と捉え直されているようです。

実際、SNSでも「お正月くらいは飾りを付けたい」「縁起物だから格好いい・悪いの問題ではない」といった肯定的な意見も見られ、あえて旧車や愛車にしめ飾りを装着して写真を投稿する若者も現れています。
また、最近ではワイヤーで固定する本格的なものだけでなく、吸盤でガラスに取り付ける手軽なタイプや、100円ショップで購入できるミニサイズのものなど、現代のニーズに合わせた商品も展開されています。
これからのお正月飾りは、伝統行事というだけではなく、自身の愛車を彩る季節のイベントやファッションの一部として、形を変えて生き残っていくのかもしれません。
