スマホ乗っ取りリスク増？12月施行“スマホ新法”の光と闇

YouTubeチャンネル「雑学王子ミツル - 役立つ雑学」で、ミツル氏が、今年12月18日に全面施行が確定している「スマホ新法」について解説。アプリが安くなるなどのメリットがある一方、「知らないと損どころじゃなく危険」なリスクが潜んでいると警鐘を鳴らした。

「スマホ新法」とは、Appleの「App Store」やGoogleの「Google Play」といった巨大プラットフォームによるアプリ市場の独占状態を解消し、競争を促すための新しい法律だ。ミツル氏はこの法律の趣旨を「独占状態に終わりを告げる新しい法案」と説明。これにより、ユーザーは公式ストア以外からもアプリをダウンロードできるようになり、価格競争によってアプリや課金が安くなる可能性があるという。

しかし、ミツル氏が強く懸念を示したのは、それに伴うセキュリティリスクの増大だ。これまでAppleやGoogleが担ってきた厳重な審査を経ずにアプリをインストールできるようになるため、「僕らのスマホが乗っ取られて、スマホの中に入っている個人情報、これが外部に流出される可能性っていうのが飛躍的に跳ね上がる」と指摘した。

同氏は、悪意のあるプログラム「マルウェア」を仕込んだアプリが急増する危険性に言及。「スマホをハッキングするマルウェアアプリが僕らのスマホに増える」とし、クレカ情報やネットバンキング情報が抜き取られるリスクが現実味を帯びてくると語った。

さらに、EUで先行導入された同様の法律（DMA）では、Appleが対抗措置としてiPhoneの一部の便利機能を廃止した事例を紹介。日本でも「僕らが今使ってるスマホの便利機能が使えなくなる」可能性はゼロではないと分析した。

これらのリスクに対し、ミツル氏は「大手アプリショップ以外からはアプリをダウンロードしない」というシンプルな対策を推奨。安易に提供元不明のアプリに手を出す「安物買いの銭失い」を避け、口コミや製造元をしっかり確認するリテラシーが、今後ますます重要になると締めくくった。