子どもからお年寄りまで――イングランドで骨の髄まで根付くサッカー文化を感じている坂元。写真:福富倖希/Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 1996年10月生まれで東京都東村山市出身の坂元達裕は、FC東京ジュニアユース、前橋育英高校、東洋大学を経て、2019年にJ2のモンテディオ山形でプロデビュー。その2年後にJ1のセレッソ大阪に活躍の場を移すと、日本代表入りも果たした。

 1歩1歩階段を上がるなか、2022年1月にベルギー1部オーステンデヘ移籍。そして2023年7月からイングランド2部コベントリーでプレーしている。

 海外での4シーズン目を終え、5シーズン目に向かう28歳の胸中に迫った(第6回/全6回)。

【#1】「また届かないか」開きかけたプレミアへの扉――坂元達裕が今、思うこと。ランパード監督も認める28歳が欧州で躍動する理由が垣間見えた

――◆――◆――
 
 コベントリーはイングランド中部、ウェスト・ミッドランズ州の都市の1つ。ロンドンから電車で約1時間の場所にある。「他の選手はちょっと離れた街に住んでたりするんですけど、僕はコベントリーの街の中に住んでいる」という坂元は、日々街の盛り上がり、温かさをダイレクトに感じているようだ。

「コベントリーはめちゃくちゃ声を掛けてくれますね。サポーターがすごく熱いです。イングランドはサッカーの歴史が本当に長くて、彼らが生まれた時からコベントリーのチームが街に根付いているので、ほぼみんなサッカーファンです。隣人もみんな僕にすごく良くしてくれて、すごく過ごしやすいです。

 プレーしていてもサポーターの熱量をめちゃくちゃ感じます。彼らもサッカーに人生を懸けているというか、サッカーが人生の中でのすごく大きなものの1つになっているので、悪かったらすごく叩かれますし、良かったらすごく称えてくれます。そこは楽しいですね」

 コベントリー1年目の2023-24シーズン、骨盤骨折の大怪我を負った。坂元は「シンプルに『サッカー人生が終わったかな』と思いました。ここまでしっかりと戻って来れて良かったです」と噛みしめると同時に、復帰戦でのサポーターの振る舞いに心から感謝している。

「すごく感慨深いものがありましたね。そんなに早く帰って来れるとは思っていなかったですし、サポーターの方から温かい声をすごくいただいて、すごく嬉しかったですね」
 以前に比べ、チャンピオンシップ(イングランド2部)でプレーする日本人選手が大幅に増えている。その背景には労働ビザ取得の一部緩和に加え、世界最高峰プレミアリーグまでの物理的な距離の近さがある。

「すごく良い舞台だと思います。昇格すればプレミアですし、めちゃくちゃ良い舞台ですね。僕らが日本でやっている時は、チャンピオンシップに1年目から行くのは、規制とかもあって中々難しかったと思うんですけど、今はそれが緩和されて、ダイレクトで来れるようになったので、若い選手にとってはめちゃくちゃ良いリーグだと思っています」
 
 当然、日本人対決は大きな刺激になる。また、同胞の存在は、異国での生活において大きな助けになる。

「大橋祐紀(ブラックバーン)や斉藤光毅(QPR)は特に仲良くしています。去年で言うと三好康児(元バーミンガム、現ボーフム)が近くに住んでいて、毎週のように会っていたので、そういう選手たちと対戦するのはすごく刺激になりますし、負けたくない思いは強いですね。去年から急に日本人が増えて、対戦する機会も増えたので、そこは楽しみながら、刺激を受けながらお互いできていると思います」

 フランク・ランパード監督のもと、愛するサポーターと共に2000-01シーズン以来のプレミアリーグ復帰へ。日本からやってきた背番号7にコベントリーの街中が期待を寄せている。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)