この記事は以下の動画を基に、動画投稿者の承諾を得た上で、AIライターが執筆しております

「大規模言語モデル(LLM)の賢さをどう定量化していくか」と題した動画で、脳科学者・茂木健一郎氏が“知性をどう数値化するか”という根源的な問いに深く切り込んだ。動画冒頭で茂木氏は、「どんどん知性が上がっていったときに、その知性をどう定量化するかというのは非常に大きな問題なんですよね」と語り、これまで用いられてきた人間のIQ(知性指数)評価の概念が、今後AIやAGI(汎用人工知能)、さらにASI(超知能)といった領域では機能しない可能性を示唆した。

「例えばIQが130の人というのは3シグマ分、標準偏差3つ分ずれているんですよね、中央より。これは人間の中での賢さの位置を表すには一つの指標なんですけど、そもそも人工知能って人間を超えてどんどん賢くなっていくだろうと、これからAGIとかASIというときにはそうなるわけで」と指摘し、既存の定量化指標が通用しなくなるジレンマを強調した。

また、最近注目の大規模言語モデル(LLM)について、「LLMの賢さってどう評価できるのかというのが面白い問題」と述べ、数学の天才テレンス・タオ氏を例に挙げつつ、「テレンス・タオの話聞いてて賢いと感じるのは何でなんだろうっていう。それをうまく定量化できるといいと思うんですよね」と自身の知的好奇心をにじませた。

「単に知性が高いとか、知識がたくさんあるとか難しい話をしてるとか、そういうことではないんだろう」とした上で、「世の中に対する、例えばわからないことはわからないとするし、好奇心を持って何か向き合っていくだとか、言葉の使い方やトピックの選び方から伝わってくるその人の賢さというのがあって」とヒトの知性が醸し出す“雰囲気”や“態度”の要素の重要性を説いた。

さらに、「その賢さというのは、発話している言葉じゃなくて文字起こししてそれを文字としたものでも伝わるのかどうかっていうのが一つの議論する余地があるところなんですよね」と指摘。つまり発話のリズムやトーンが与える印象以外に、文字だけからも賢さは伝わるのか、という問いを投げかけた。

動画の締めくくりでは、「人間同士だと、この人は賢いなとか、賢くないなって感じることはできる。その感覚をどう、大規模言語モデルのように移していくかっていうのが、一つの課題になるのかなと思います」と述べ、今後のAI知性定量化研究への展開を期待させるコメントで動画を結んだ。

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