ニュースでは選挙、閣僚指名、政策(関税、移民、歳出削減)ばかりが取り上げられていますが、ウォール街は引き続き企業業績に注目して(それを材料に取引を行って)います。2024年第3四半期(95.6%が決算発表済み)の営業利益は過去最高となり(前回過去最高をつけた2024年第2四半期から2.0%増)、売上高も同様に過去最高を更新し(前回過去最高をつけた2023年第4四半期から2.2%増)、営業利益率は11.9%と高水準にとどまる見通しです(1993年第1四半期以降の平均は8.5%)。将来の予想は、僅かに下方修正されたものの(そして12月には大幅な変動が見込まれますが)概ねこれまでの水準を維持しており、今後5四半期(2024年第4四半期から2025年第4四半期まで)連続で過去最高益を更新すると予想されています。ただし、2025年の予想に対する株価収益率(PER)は22倍であり、予想される成長の対価を既に支払っている点には注意すべきでしょう。

 ニュースのヘッドラインの座を政治に譲ったとはいえ(おそらくいずれ返り咲くでしょう)、米連邦準備制度理事会(FRB)の動向は極めて重要です。これに関して、ウォール街は2024年12月17-18日の会合で0.25%の利下げが実施されると依然として予想しています(確率は66%)。1月は様子見姿勢を取り(変更なし)、2025年3月18-19日の会合で再び0.25%の利下げが実施されるとみています(ただし、それまでに経済指標の発表や政治日程が目白押しです)。

 全般的に、2024年は市場が大きく変動した(加えて非常に乱高下が激しかった)ものの、かなり値上がりの大きな1年として幕を閉じそうです。S&P500指数の年初来上昇率は26.47%となり(配当込みのトータルリターンは28.07%。2023年の上昇率は24.23%、配当込みで26.29%、2022年は19.44%下落、配当込みでマイナス18.11%)、時価総額は11兆ドル増加しました(米国の2024年予算は6兆7500億ドルで、債務は36兆ドルです ―― 債務上限適用停止期間は2025年1月1日に終了しますが、財務省は2024年12月20日につなぎ予算が失効した後(新たなつなぎ予算の成立が見込まれます)、新たな債務上限が設定されるまで「やりくり」ができるでしょう。11月および年末の報告書は投資家から好感されるでしょうが、若干の税収の増加(2024年12月予想額および2025年支払額)につながる可能性があり、米政府がその使い道を見つけるのは間違いないでしょう。

●インデックスの動き

 ○11月の株式市場は選挙を乗り切り、S&P500指数は上昇を続け(月間では5.73%上昇)、月中に終値での最高値を6回更新しました(年初来では53回)。選挙結果が早期に判明すると、5900および6000の節目を初めて突破し(そして終値でもこれらの水準を上回り)ました。ダウ平均は4万4000ドルの節目を超えると、終値でもこの水準を上回りました。さらに4万5000ドルの節目を初めて突破し(ただし終値では届きませんでした)、月中に終値での最高値を7回更新しました(年初来では47回)。

  ⇒11月にS&P500指数は5.73%上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス5.87%)。10月は0.99%下落(同マイナス0.91%)、9月は2.02%上昇(同プラス2.14%)でした。

  ⇒過去3ヵ月間のS&P500指数の騰落率は6.80%の上昇となりました(同プラス7.15%)。

  ⇒年初来では26.47%上昇となり(同プラス28.07%)、年率換算すると29.08%(同30.86%)に相当します。

  ⇒過去1年間では32.06%の上昇(同プラス33.89%)となっています。

  ⇒11月は値上がり銘柄が385銘柄、値下がり銘柄が118銘柄と、値上がり銘柄が増加して値下がり銘柄を大幅に上回りました(10月は値上がり銘柄が199銘柄に対して、値下がり銘柄は304銘柄)。