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想いは「ハッピーリズムボックス」

執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)

ホンダが、2023年秋にフルモデルチェンジする軽乗用車の新型「Nボックス」について、デザインを先行公開した。

【画像】初撮り! 新型「ホンダNボックス」 デザイン/内装、細部まで見る【カスタムも】 全107枚

発売日は未発表だが、8月に先行予約の受け付けを開始する。


デザインが先行公開された新型ホンダNボックス(プラチナホワイトパール)。Nボックスとして3代目となる。    池之平昌信

前述のとおり、今回公開されたのは内外観のデザインのみ。

エンジンなどのパワースペックやグレード、車両価格などは正式な発表に向けて随時公開されていく予定だ。

「軽」という限られたサイズ枠ゆえ、全長は3395mm、全幅は1475mmという数値は変わらない(変えられない)はず。おそらく、全高も従来型は1790〜1815mmだったが、この数値もほとんど変わらないだろう。

バリエーションも、従来型と同様、標準系の「Nボックス」とカスタム系の「Nボックス・カスタム」がラインナップされるのも変わらない。

では、先行公開されたデザイン面を中心に、新型Nボックスの概要を紹介していこう。

標準系 瞳のようなヘッドライト

「ハッピー リズムボックス」というコンセプトのもと、エクステリア・デザインを担当した小向貴大氏は、まずNボックスのコア価値である広いキャビンを包み込む構造体を骨格で表現。

歴代モデルの特長である、ルーフからサイドシルを1つの大きな塊で見せる立体的な表現を用いた。さらに、前後バンパーのコーナーにボリュームを持たせ、スタンスの良さや走りを感じさせる“踏ん張り感”を与えている。


新型ホンダNボックス(プラチナホワイトパール)。奥は、Nボックス・ファッションスタイル(オータムイエローパール)。    池之平昌信

標準系のNボックスでは、遠目に見ても「Nボックスだ!」と分かるシルエットを踏襲し、それでいながらバンパーにボリュームを持たせて普通車に匹敵する安定感を目指した。

瞳を思わせる特徴的なヘッドライトは、ミリ単位でデザインを吟味し立体感ある造形とし、ディテールまで作り込んだ。

テールライトはライセンスランプも含めてフルLED化され、従来型同様の縦型を踏襲しながらボディ面とスッキリ一体化、メリハリのあるグラフィックが与えられている。

フロントグリルはボディ同色のフレームレスで、開口部は“シンプル家電”のような丸型を採用。給油リッドにはヘコミを設け、押す位置を認識させている。

カスタム系 品格の横一文字ライト

Nボックス・カスタムの方は、デザインキーワードが「プラウド リズム」。

他車に威圧感や力強さを押し付けない、自分自身が誇りを持って乗れる、品格をまとったエクステリアを目指している。


新型ホンダNボックス・カスタム(トワイライトミストブラックパール)    池之平昌信

左右のポジションライトと中央のグリルライトを繋いだ横一文字ライトが、加飾に頼らないワイド感と最上級グレードとしての品格を演出。

ヘッドライトにはホンダ初のダイレクトプロジェクション式LEDを採用した。

ターンシグナルは従来型よりLEDの数を増し、より滑らかに発光するシーケンシャルタイプ。テールライトの形状は標準のNボックスと同じだが、カスタム伝統のクリアタイプを踏襲した。

さらに、光の当たり方で表情が変化する立体感のあるフロントグリルや、エアロダイナミクスを考慮したデザインの前後バンパーやリアスポイラーなど、カスタム専用のパーツが与えられている。

内装 見晴らし重視+カドマル

インテリアデザイン担当の藤原名美氏は、友達や仲間が楽しく集える、そんな空間を目指した。

まず、インテリア全体を1つのラウンドリビングと考える。


新型ホンダNボックス・ファッションスタイルの前席(内装色:グレージュ×グレー)    池之平昌信

乗員みんなをぐるっと優しく包む空間は、インパネ〜ドア〜シートと、シームレスに繋げ、誰もが会話を楽しむことができる。

インパネやトレイ端末などはカドを丸めた、人にやさしい「カドマル処理」を採用して、やさしい印象を与えた。

また、従来型ではステアリングホイールの上から見ていたメーターだが、新型ではインホイールメーターを採用し。インパネ上面はフラットでスッキリ見やすい視界が広がる。

そして各部を水平・直線基調とすることで進行方向が見やすく、また車幅やロール姿勢などもつかみやすくなっている。

メーターは軽自動車初の7インチTFTの全面液晶タイプを採用。ホンダセンシングの表示は見やすく、シフトポジションなどの表示内容はゾーニングすることで視認性を高めた。

困っていた充電ケーブルも

さらに、トランクサイドライニングにグリップ状のくぼみを設けて子どもや高齢者が乗り降りしやすくしたり、トランクサイドポケットはボックスティッシュが入るよう大型化。

また、子どもがオモチャで遊べるようなスピーカーのスリットなど、リア空間で子どもが楽しんでドライバーは安心して過ごせる、そんな空間も目指した。


新型ホンダNボックス・カスタムの後席(内装色:ブラック)    池之平昌信

ほかにも、出窓風にデザインしてコルク風の素材も採用し、思わずディスプレイしたくなるようなインパネトレー、従来型の約2倍の容量とした下段グローブボックスなどを採用。

さらに、グローブボックスのフタは、充電コードを挟まないように一部をスリット形状にするなど、使いやすさを考慮している。

スーパーハイトワゴン市場について

Nボックスのような、軽スーパーハイトワゴンは相変わらず高人気が続いている。

2023年前半の軽乗用車の車名別新車販売台数では、1位がNボックス(11万2248台)、2位がダイハツ・タント(8万85台)、4位がスズキ・スペーシア(6万75台)、6位が日産ルークス(3万7920台)と、上位にこのカテゴリーが並ぶ。


新型ホンダNボックス・カスタム・コーディネートスタイル(スレートグレーパール 2トーン)。奥はNボックス・ファッションスタイル(オータムイエローパール)。    池之平昌信

乗用車を合わせた順位でも、軽スーパーハイトワゴンが優勢だ。

Nボックスはモデル末期ながら前年比108%の実績。しかし、タントは前年比181.2%、スペーシアは前年比126%と好調。

絶対王者であるNボックスに対し、タントは「ファンクロス」、スペーシアは「カスタム」や「ベース(これは商用車扱いだが)」といったバリエーションを拡大し、その座に迫ろうとしている。

今回、内外装が明らかになった新型「Nボックス」は、従来型と同様の標準系とカスタム系だけだったが、いずれはクロスオーバー系の「Nボックス・クロスター(?)」の登場もあるのだろうか。

また、パワートレインは正式には非公開だが、ターボ&ノンターボに加えて、いずれはマイルドハイブリッドやEVも登場するのだろうか。

デザインを見ただけでも、新型Nボックスにはヒットの予感を抱かずにはいられない。今後もNボックスを軸とした軽スーパーハイトワゴンの人気は続くことだろう。

まずは、今秋(9月下旬と噂されている)の正式発表まで、楽しみに待つことにしよう。