キウイフルーツは皮ごと食べるべし…名門医大管理栄養士が開陳する"体にいい皮"の最新うんちく
※本稿は、『プレジデントFamily 2022年秋号』の一部を再編集したものです。

■皮なしより皮つきのゴボウのきんぴらのほうが美味しい
皮つきの野菜は、まず皮をむいてから調理するのが当たり前。そう思い込んでいませんか?
実は、ゴミ箱へ行くその皮は栄養の宝庫。そして風味も豊かなので捨ててしまうのはもったいない話です。「皮つきの野菜はできるだけ皮ごと調理しましょう」と、私は折に触れ伝えています。
もちろん、皮といっても含まれる栄養素はさまざまです。ゴボウを例にすると、皮にはクロロゲン酸という物質が多く含まれています。これは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種で、体にダメージを与える活性酸素から身を守る働きがあります。
また、脂肪の吸収・蓄積を抑える効果も報告され、ダイエットや生活習慣病の予防に役立つ栄養素でもあるのです。
調理するときは、洗いゴボウならそのまま、泥つきゴボウなら泥をよく洗い流せば十分。ピーラーや包丁で皮をむく必要はありません。
あるテレビ番組で皮つきと皮なしのゴボウのきんぴらを食べ比べてもらったことがあるのですが、大半が「皮つきのほうがおいしい」と答えていました。
ゴボウの場合、切った後、水にさらしてアク抜きするのが一般的ですが、このアクの成分もほとんどがクロロゲン酸(ポリフェノールの一種)。つまり、皮を残し、水にさらさずに調理をすれば、より多くのクロロゲン酸を取ることができるのです。
皮がおいしい野菜にはニンジンもあります。そもそもニンジンの皮とされているのは「内鞘(ないしょう)細胞」という薄い膜。土から取った栄養や葉でつくった栄養は内鞘細胞に蓄えられるため、皮に近いほど甘みや香りが濃くなるのです。味に比例して栄養価も高くなり、なかでも多いのはベータカロテンや食物繊維。
ほかにも、ダイコン、ジャガイモなど皮つきで食べたい野菜はたくさんあります。大根は皮ごと鬼おろしでおろすと甘みが増しますし、鍋物なら、ピーラーで皮つきのままリボン状に薄く削るのがおすすめ。皮の硬さが気にならず、すぐに軟らかく煮えて一石二鳥です。
■キウイフルーツ…フルーツも皮に甘さと栄養あり
一方、果物も皮ごと楽しむ習慣をつけてほしいと思います。
代表はリンゴ。そのままかじってもいいのですが、薄く輪切りにする“スターカット”なら皮が気にならず、種の際まで余さず食べられます。丸いクッキー型などで中心をくり抜けばドーナツ形になり、見た目もかわいいですよ。
意外かもしれませんが、キウイフルーツも皮ごと食べられます。柔毛という表面のケバケバを手でこすってよく落としてから、そのままガブリと頬張るとみずみずしい甘さが口いっぱいに広がります。この皮には水溶性の食物繊維がたっぷり。善玉菌を増やす短鎖脂肪酸を腸内で産出し、腸活とともに肥満予防にも役立ちます。

キウイフルーツと同様、モモも表面の柔毛を落とせば皮ごと頬張れますし、皮ごと丸々食べられるバナナもありますので興味があればぜひ試してください。
もっとも、何でも皮ごと食べればいいというわけではありません。前提になるのはおいしいこと。例えば、タマネギの皮はどんなに煮ても口に残ってしまいます。ザクロのように皮に毒性を持つものもあり、硬い皮は食べてもおいしくありません。口当たりが悪いと感じるなど抵抗感があればおいしく食べられないので、無理に試す必要はありません。試してみたいと思うものだけ食べてみてください。

皮つき調理で、さらに嬉しいのは、下ごしらえの手間が省けて時短になること。カレーならニンジンやジャガイモは水洗いして切るだけなので楽チンです。しかも、生ゴミを減らすことができ、ひいてはフードロス解決の一助にもなります。日本の食品廃棄量は世界的にも多く、1人当たりお茶わん1杯分の食べ物を毎日、捨てていることになるそうです。
野菜や果物を皮ごと食べながら、お子さんと一緒にフードロスや環境の問題を考えてみる。そんなきっかけにしてみてはどうでしょう。
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赤石 定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士
『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』などの本やテレビで、食事で健康になる情報を発信している。
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(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士 赤石 定典 構成=上島寿子)
