ミニバンとはどんな車?

ミニバン イメージ例

「ミニバン」は、1BOXタイプに類似したボディ形状をもった車に3列シートを備えたジャンルを指します。

完全な1BOXタイプとの違いは、エンジンを配置する位置とシャシーレイアウトです。

トヨタ ハイエース バン スーパーGL

完全な1BOX(例:トヨタ ハイエース、日産 キャラバン)は、車体前部のボンネットを設けずにエンジンを運転席下に配置した”キャブオーバー”と呼ばれる車体レイアウトを採用しています。基本は、FR(フロントエンジン・後輪駆動)となっているケースが多いのが特徴です。

トヨタ アルファード S type Gold Ⅲ

一方、ミニバンでは車体前方にボンネット部分を設けて、エンジンや駆動系パーツを収納したFF(フロントエンジン・前輪駆動)レイアウトを採用しているのが特徴。室内をチェックすると、床面が低く抑えられていて居住空間の拡大に貢献しています。

エンジンを配置する位置とシャシーレイアウトの違いにより、多人数乗車をしても快適な車となっているのがミニバンの強みです。

人気国産ミニバンサイズ比較【5ナンバー/3ナンバー】

ミニバンを選ぶなら気にしたいポイントがボディサイズです。近年は、大半の車種で車幅が1.7m(1,700mm)を超えており、3ナンバーとなっているのがトレンドです。

この項目では、合計11車種のミニバンを5ナンバーと3ナンバーに分類して、ボディサイズの比較をしてみました。

■5ナンバー

車名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) トヨタ シエンタ 4,260 1,695 1,695~1,715 ホンダ フリード 4,265 1,695 1,710~1,735 日産 セレナ 4,685~4,770 1,695~1,740 1,850~1,875

■3ナンバー

車名 全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) トヨタ ノア 4,695 1,730 1,895~1,925 トヨタ ヴォクシー 4,695 1,730 1,895~1,925 トヨタ アルファード 4,945~4,950 1,850 1,935~1,950 トヨタ ヴェルファイア 4,945~4,950 1,850 1,935~1,950 トヨタ グランエース 5,300 1,970 1,990 ホンダ ステップワゴン 4,800~4,830 1,750 1,840~1,855 日産 エルグランド 4,965~5,020 1,850 1,815 三菱 デリカD:5 4,800 1,795 1,875

コンパクトミニバンのおすすめ車種3選

全長が短めで、幅が5ナンバーサイズのモデルが揃っている「コンパクトミニバン」。

セダンやワゴン、コンパクトカーでの多人数乗車は狭苦しさを感じるとお考えの人が、少しでも車内での頭上空間に余裕が欲しいとの理由でチョイスしているようです。

今回は、希少となりつつある、車幅が5ナンバー枠に収まっているモデルをコンパクトミニバンと定義して、3車種をピックアップして解説します。

■ホンダ フリード

ホンダ フリード ハイブリッドG(2022年)

「ちょうどいい」をキャッチコピーに、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンで人気を獲得している「フリード」。

2016年に誕生した2代目は、シリーズバリエーションを大幅に強化しています。

例えば、グレード「クロスター」は、SUVチックでオフロード・アウトドアにも向きそうなエクステリアデザインが特徴です。

2列シート仕様とした「フリード+」、ガソリンエンジンやハイブリッド仕様といったパワートレインの種類を増やすなど多彩なバリエーションから選択可能となっているのも、フリードの強みとなります。

■トヨタ シエンタ

トヨタ シエンタ G(2022年)

トヨタの5ナンバーサイズミニバン「シエンタ」は、2022年に3代目モデルへ刷新が行われています。

2003年登場の初代、2015年登場の2代目から引き継がれている「扱いやすい5ナンバーサイズ」のキャッチコピーはそのままに、先進の安全技術と燃費性能を備えた車です。

歴代モデルと変わらないボディサイズながら大人7名が乗り込める室内となるよう、2列目シートの構造を見直して足元と頭上に余裕ができる設計としています。

エクステリアも、2代目はスポーティな印象を感じさせたのに対し、現行の3代目はポップな印象へ刷新。子連れの家族をはじめ幅広い年代に受け入れられる1台となっています。

■日産 セレナ

日産 セレナ (2020年)

1991年の初代登場から30年以上の歴史をもつミニバンが「セレナ」です。現行・C27型も、2016年の登場からロングセラーを続けているモデルとなります。

エンジンを発電の役割に絞り、発電したエネルギーでモーターによる走行を可能とした「e-POWER」や高速道路での走行をサポートしてくれるシステム「プロパイロット」など、ライバル車種にも引けを取らない改良を重ねて、商品力をアップさせています。

2020年に実施された一部改良では、「全方位運転支援システム」を強化したほか、一部のグレードでプロパイロットを標準装備へ昇格させて話題となりました。

ミドルサイズミニバンのおすすめ車種3選

かつては、5ナンバーのボディサイズに収めていたのが、枠を突き破り3ナンバーとなった「ミドルサイズミニバン」のモデルたち。

2022年にモデルチェンジを行い、熾烈な販売競争を繰り広げている3車種をピックアップしました。

■トヨタ ノア

トヨタ ノア ハイブリッドZ(2022年)

「ノア」は、「タウンエース」や「タウンエース ノア」の先祖から地位を引き継いできたトヨタを代表するミニバンラインナップの1つです。

2022年に登場した4代目は、「みんなのミニバン」をキャッチコピーに、一層のレベルアップを遂げているのが特徴。3ナンバーサイズのボディとなり、設計を見直して室内空間の拡大に成功しています。

また、「ユニバーサルデザイン」と銘打ち、乗り降りのしやすさも改善。パワースライドドア装着車には助手席側に「ユニバーサルステップ」と呼ばれる電動の補助台が採用されています。子どもから老人まで老若男女が乗り込みやすい車となった点も注目ポイントです。

■トヨタ ヴォクシー

トヨタ ヴォクシー ハイブリッドZ(2022年)

「ヴォクシー」は、ノアの兄弟モデルにあたり、コントラストの効いた鋭い目つき・顔つきのエクステリアパーツが特徴のミニバンです。

2022年に登場した4代目では、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能を充実させています。高速道路での渋滞時にドライバーの疲労を軽減できる”アドバンストドライブ”、車外からリモートでの駐車操作も可能とした”アドバンストパーク”と便利な機能を揃えているのは注目ポイントです。

■ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴン スパーダ e:HEV(2022年)

「ステップワゴン」は、ホンダの売れ筋モデルに定着しているミドルサイズミニバンです。

2022年に登場した通算6代目となるモデルは、ノーマル仕様に”AIR”と呼ばれるタイプ名を設定し、シンプルなデザインながら上質感を意識したスタイリングとなっています。スポーティモデルのSPADAも歴代モデルに引き続きラインナップされたことで、幅広いユーザーへ対応できるのも強みです。

2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したグレードを用意しており、実用性だけでなく燃費性能にもライバルに負けじと劣らぬ1台となっています。

高級ミニバンのおすすめ車種3選

セダンに代わる公用車・社用車でも使われるようになった「高級ミニバン」。

今では、リアスライドドアから社長・取締役員が降りてくるシチュエーションも少なくありません。

しかし、国産メーカーでミニバンのラインナップが絞られつつあり、新車購入ができるのは3車種に絞られています。

■トヨタ アルファード

トヨタ アルファード S type Gold Ⅲ(2022年)

「高級サルーン」を前面に訴求して、新しいミニバンの価値を築いたのがトヨタ「アルファード」です。

2015年に登場した3代目モデルは、「豪華・勇壮」をテーマにゆとりの室内空間が魅力となっています。

FFレイアウトの恩恵で室内の床面を低く抑えつつ、頭上空間にも余裕を持ちながらどの座席に座っても快適性がアップしています。助手席に備わったスーパーロングスライドシートによるシートアレンジの多彩さも注目です。

■トヨタ グランエース

トヨタ グランエース(2019年)

トヨタの販売ラインナップを見渡しても、希少価値の高い「ビッグサイズボディ」が目立つ「グランエース」。

グランエースの特徴は、”フルサイズ”の名前にふさわしい車体の大きさです。

全長は5mを超えて、全幅は2m近いボディは、4列シート仕様を販売できるほどの構造となっています。ボンネットを短くしてエンジンの後端より近い位置に運転席のポジションが置けたことで、車内空間を広くするのに役立っているのも興味深いポイントです。

■日産 エルグランド

日産 エルグランド ハイウェイスターS(2020年)

1997年に初代登場と、ミニバンでは古豪にあたるモデルとなっているのが「エルグランド」です。

高級ミニバンの先駆けとなったエルグランドは、2010年にモデルチェンジした3代目は引き続き販売されており、ロングセラーとなっています。

”サポカーSワイド”に該当する性能をもつ先進の安全技術と、存在感を強く放つ高級仕様の「アーバンクロム」のラインナップで、引き続き高い魅力をもつモデルとなっています。

いま人気があるのはどんなミニバン?おすすめをピックアップ

近年は、ハイブリッド仕様や車高を限界まで引き上げたミニバンチックな軽自動車が増えてきて、一風変わった車種も増えつつあります。

2022年時点のトレンドで、高い人気を得ているのはどのようなミニバンでしょうか。

■燃費のいいハイブリッドミニバン

トヨタ ノア ハイブリッド S-Z(2022年)

ミニバンを選ぶ際、長らくネックに挙げられていたのが燃費性能。車体が重く、どうしても排気量の大きい高出力のガソリンおよびディーゼルエンジンが求められていました。

2000年代以降、トヨタ アルファードの初代モデルにマイルドハイブリッドシステムを搭載したのをはじめ、次第に燃費性能を高めるためハイブリッドシステムを搭載した車種が増加していきました。

現在、市販されている11車種のうち9車種でハイブリッド仕様を用意しているのもあり、ミニバンには欠かせない必須のシステムとなっているのです。主なおすすめの車種は以下の3台となります。

トヨタ ノア ホンダ ステップワゴン 日産 セレナ
日産 セレナ(2019年)

特に、セレナには日産の独自技術「e-POWER」と、モーター動力をメインとしたハイブリッドシステムも導入されているのは注目したいポイントです。かつてはエンジンしか考えられないと思われていた車が、ハイブリッドシステムの普及でミニバンでもモーターによる走行を可能としています。

■軽ミニバン(軽ワゴン、軽ワンボックス)

ホンダ N-BOX custom(2020年)

軽自動車でも、ミニバンタイプの車が普及しつつあります。

「ハイトールワゴン」「スーパーハイトワゴン」などと表された、車高が限界まで引き上げられている車種が販売台数ランキングでも上位に君臨しています。

おすすめの車種は以下の3台です。

ホンダ N-BOX スズキ スペーシア(スペーシアカスタム、スペーシアギア) ダイハツ タント
スズキ スペーシアギア(2021年)

「N-BOX」や「スペーシア」、「タント」といずれも車両の全高が1,700mmを超えており、普通乗用車に分類されるミニバンにも引けを取らない足元と頭上の空間を確保。ゆったり過ごせる室内の広さを実現しているのが特徴です。

■外車ミニバン

メルセデス・ベンツ Vクラス(2020年)

ミニバンは国産車だけではなく、外車でもいくつかの車種が定番モデルとして市販されています。

国産車と比べてみると、リアドアの形式がヒンジ式となっていたり、商用バンやSUVをモチーフとしたりする車種がラインナップしています。

また、3列シート仕様ではなく、2列シート5人乗りとなっているモデルも多いのが特徴です。おすすめの車種は以下の3車種となります。

メルセデス・ベンツ Vクラス ルノー カングー シトロエン ベルランゴ
ルノー カングー(2017年)

高級かつ優越感を得たいなら、メルセデス・ベンツのフルサイズミニバン「Vクラス」が優位となるでしょう。また、遊び感覚と気軽に乗りこなせるミニバンをお求めなら、ルノー「カングー」やシトロエン「ベルランゴ」がおすすめです。

かっこいいミニバンランキングTOP5

威厳のあるフロントマスクや、側面から引き立つ流麗なスタイリングが魅力のかっこいいミニバンを5台ピックアップしてランキングとしてみました。

■第5位:三菱 デリカD:5

三菱 デリカD:5(2019年)

シリーズ誕生から50年以上の歴史をもち、SUVも顔負けするような高い走破性をもつ牢固なミニバンとして名を上げた「デリカD:5」。

2019年に登場した改良モデルでは、三菱のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用。縦型のヘッドライトが際立ち、力強くスポーティなデザインとなっています。

■第4位:トヨタ アルファード

トヨタ アルファード(2020年)

高級サルーンを銘打ったミニバン、アルファードのスタイリングをチェックしてみましょう。

重厚感を感じるメッキ調の大型フロントグリルがたくましさを演出していて、大胆で華やかな印象を持たせています。

フロントからなだらかに登っていき、後方まで高く水平に保たれたルーフ形状も、スタイリングの良さに貢献しています。

■第3位:日産 セレナ

日産 セレナ(2021年)

セレナのスタイリングをチェックしてみると、真っ先に注目したいのはフロントグリル。日産のデザインコンセプトに定着している”Vモーション”を取り入れたことで、シャープで洗練された顔つきとなっています。

キャビンを見渡すと、運転席後方からルーフエンドにかけて微小な下り方をしている「フローティングルーフ」により、走りの良さも想像できるデザインです。

度重なる商品改良が行われていますが、大きく顔つきを変えずに販売が続けられているのは、Vモーションをはじめユーザーから高い評価を得ているからでしょう。

■第2位:トヨタ ヴォクシー

トヨタ ヴォクシー ハイブリッド S-Z(2022年)

通称「ノアヴォク」こと、ノア&ヴォクシーの「トヨタミドルサイズミニバン兄弟」ですが、デザインならヴォクシーが優位となっているようです。

歴代モデルから継承した”カスタムチック”な雰囲気はそのままに、個性の強いグラフィックなデザインが夜景に映えそうな印象を持たせています。

車体後方、サイドウインドウの下部が”登り調子”でエンドまで伸びているのも、スポーティな印象を感じさせるでしょう。

■第1位:ホンダ ステップワゴン

ホンダ ステップワゴン AIR(2022年)

2022年に6代目へモデルチェンジしたステップワゴンは、「原点回帰」を感じさせるスタイリングとなり、市販されているミニバンでは現時点でトップクラスのかっこよさに進化しました。

「AIR」と「SPADA」、ともにフロントマスクはヘッドライトとグリルが横一線となったシャープなデザインを採用。1996年に登場した初代を連想させるボクシーなボディ形状と合わさりつつ、現代にあったエクステリアデザインへリメイクされています。

2022年内デビュー予定の新型ミニバン

2022年内に登場と予想されている新型のミニバンをピックアップしました。

近年の新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大による影響や、半導体不足の生産遅れがありつつも、早々と登場するのか注目です。

■日産 セレナ(新型)

画像提供:𝑯𝑨𝑹𝑼𝑲𝑰様/Twitter

2021年頃から、現行・C27型に代わるニューモデルの登場が噂されているセレナ。

当初は、販売ディーラーのCMアニメーションに登場した車が次期セレナではないか、との噂がありました。

2022年8月、首都高速の大黒パーキングエリアでテスト走行中と思われる開発車両が目撃されており、登場は間もなくではないかと想像できます。詳しいスペックは明らかとなっていませんが、現行モデルで使用されている「e-POWER」や「プロパイロット」がどう進化するか注目です。

2023年内デビュー予定の新型ミニバン

2023年に入ってからは、トヨタを代表する高級ミニバンがフルモデルチェンジされるのではとの噂も挙がっています。改めて、2023年登場の噂がある新型ミニバンの情報をピックアップしてみました。

■トヨタ アルファード(新型)

トヨタ アルファード(画像は、現行モデル)

トヨタの高級ミニバンに君臨する「アルファード」は、現行モデルが2015年の登場で、7年もの時間が経過しています。そのアルファードですが、2023年5月頃に次期型が登場する噂が上がっています。現行モデルの受注が停止していることと、販売ディーラーへの取材から情報が上がっています。

兄弟車である「ヴェルファイア」の統廃合も含めて、アルファードの動向に注目です。

電気自動車のミニバンはいつ登場する?

フォルクスワーゲン ID.Buzz(2022年)

近年、欧州を中心に自動車市場を沸かせている電気自動車(BEV)ですが、ミニバンジャンルでも世界の各メーカーが開発に取り組んでいるようです。

例えば、ドイツのフォルクスワーゲンが開発した「ID.Buzz」は、2022年6月からハノーバーの工場で生産を開始しています。

昔懐かしいボックス型のボディ形状に、コンパクトカー「ゴルフ」などの主力車種と通ずるフロントマスクを備えたスタイリングは注目度が高いでしょう。1回の満充電で424kmの航続距離を実現しており、今後、日本でも販売されるのか注目です。

PHVのミニバンが登場する予定は?

PHV車を多く登場させているトヨタ。ノア&ヴォクシーにPHVを追加させたら販売の活性化に繋がりそうだが…?

PHV(プラグインハイブリッド)のミニバンが登場するかどうかは、現状未知数です。

欧州では2030年から2035年頃、電気自動車の普及を目指して動いており、世界的に「BEV優先」となりつつあります。

しかし、日本ではいまだにハイブリッドの需要が高いのが実情です。国産のミニバンをチェックしていても「e-POWER」を搭載した日産 セレナや「e:HEV」を採用したホンダ ステップワゴンなどが市販されています。

今後、既存のモデルにPHV仕様が追加設定されるなど、新たな展開が期待できるでしょう。