日本の街並みには、一目見てすぐに日本とわかる特徴がある。日本らしさの1つは「看板」にあるようで、同じ漢字を使っていても中国の看板とは根本的に何かが違う。中国メディアはこのほど、「日本の看板はなぜこんなにおしゃれなのか」と題する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本の街並みには、一目見てすぐに日本とわかる特徴がある。日本らしさの1つは「看板」にあるようで、同じ漢字を使っていても中国の看板とは根本的に何かが違う。中国メディアの騰訊はこのほど、「日本の看板はなぜこんなにおしゃれなのか」と題する記事を掲載した。

 記事はまず、中国の看板は壊滅的に「ダサい」と切り捨てた。「人目を引く」ために、赤や黄色など原色ばかりを使っているのが「子どもっぽい」と主張し、文字の大きさも看板いっぱいに広げていて、スタイリッシュな看板の対極に位置していると苦言を呈している。

 その点、日本の看板はおしゃれに見えるポイントを押さえているそうだ。その1つは、日本人の家の中と同じで「すっきりしている」ことだ。中国ではどの店も看板を派手にして目立とうとするが、周りも派手なので埋もれてしまい、逆効果だと指摘している。家の中も、すっきり片付いているほうが物は見つけやすいものだ。

 また、「シンプルにして余白をつくる」のも大切だという。伝えたいことを強調するには、目一杯情報を詰め込むよりも「余白」を残した方が良い、というのは芸術のセオリーだと説明した。中国画は余白の使い方が重要なのだが、看板では日本人の方が上手に余白を使っていると残念そうに伝えている。また、日本の看板は「色彩の調和とバランス」に配慮しているが、中国の看板はそのような配慮がないため、非常にダサいのだと論じた。

 それに加えて、日本では政府が「美しい国づくり」政策を打ち出し、観光地の景観を守ってきたと称賛した。日本にも、かつては目立つ看板が多かった時期があるが、経済優先から景観維持に意識が変化し、それとともに看板も変化してきた。中国の看板も、時代とともに変化していくのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)