――ブラジルや韓国はすでに利上げを実施、カナダなども追随しそうですが・・?

 ブラジルはすでに政策金利を1.5%引上げ、韓国は8月に3年ぶりとなる利上げを実施、11月の追加利上げも示唆されています。同様に、カナダも早期の利上げを示唆しており、2024年まで利上げはしないとしているオーストラリアも国債の利回りが上昇しており、利上げの時期は大幅に前倒しされるかもしれません。世界中が、金融政策転換の時期に差し掛かっているといって良いでしょう。

 そんな流れの中で、唯一、蚊帳の外になっているのが日本です。世界中で原油などのエネルギー資源や鉄鋼、希少金属といった資源価格がここに来て急騰しており、日本でも小麦などの食料品をはじめ様々な価格が上昇しています。円安の影響もあり、ここに来てやっとデフレから脱却する動きがあります。実際に、日銀が重視している生鮮食品を除く「全国消費者物価指数(CPI)」の総合指数が、1年6か月ぶりに対前月比でプラス0.1%に転じています。

 まさに、日本だけが周回遅れという感じですが、世界中がインフレに見舞われている中で、さらに円安が進んだ場合、日銀の現在の金融政策はどうなるのか・・・。11月は日銀の金融政策決定会合はありませんが、今後の動向に注目したいものです。

 ――今後、ドル円相場はどのあたりまで円安が進むのでしょうか?

 現在のドル円相場は1ドル=115円あたりが節目になっていますが、それを抜けていくようなことになれば、トランプ政権時代の1ドル=118円が円安の抵抗線になると思います。

 世界中が金融政策を転換してゼロ金利から脱却するようなことになれば、円の独歩安が進み、次の118円を目指すことになるかもしれません。万一、それを超えるようなことになれば、次は「黒田ブロック」といわれる1ドル=125円の突破にチャレンジすることになります。

 そういう意味では、原油価格や資源価格の動向などに注意しながら、市場と付き合っていく必要があると言って良いでしょう。

 ――11月相場の予想レンジを教えてください。

 今後、1週間程度が11月相場の山になるかと思います。FOMCでパウエルFRB議長がどんな記者会見を行うのか、あるいは、雇用統計でどんな数字が出てくるのか注目したいところです。

 また、忘れてならないのは中国経済の影響です。「中国恒大集団」の利払いは一時的に乗り切ったものの、今後も課題として続きそうです。また31日に発表された中国の10月の「PMI」では、製造業PMIが好況と不況の節目となる「50」を割り込み「49.2」でした。これで2ヶ月連続の50割れとなっており中国経済の先行きにも不安が残ります。11月の予想レンジは次の通りです。

●ドル円・・1ドル=112円50銭−116円 
●ユーロ円・・1ユーロ=130円−135円 
●ユーロドル・・1ユーロ=1.145ドル−1.175ドル 
●英国ポンド円・・1ポンド=153円−158円 
●豪ドル円・・1豪ドル=84円−88円

 ――11月相場で注意する点を教えてください。 

 当面は円が売られる展開になると考えられますが、金融市場には何が起こるかわからない部分があります。中国の債務問題や地政学リスクなどがもっとクローズアップされる可能性もありますし、原油などの資源価格がさらに大きく上昇するかもしれません。ETFを通じて莫大な資金が流れ込んでいるニューヨーク株式市場も、いつそのトレンドが変わるかわかりません。

 様々なニュースをチェックしながら、円安トレンドに賭けてみる方法もあるかもしれませんが、大切なことは余力を残しながらの「ポジション管理」を心がけたいものです。(文責:モーニングスター編集部)。