ゴツすぎ! フルSUVのホンダ「フィット」はなぜ誕生? 入社4年目デザイナーが手掛けた訳とは

都会的かつワイルドな雰囲気のSUVフィットが登場
ホンダは、「フィット」のクロスターグレードをベースに、SUVイメージを際立たせたカスタムカー「フィットe:HEVクロスターカスタム」をバーチャルオートサロン2021で公開しました。
オリジナルのフロントフェイスを採用し、フィットの新たな世界観を表現したモデルとして注目されていますが、デザインするにあたって、一体どのような狙いがあったのでしょうか。

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ホンダは2021年1月22日に本田技術研究所のデザイナー 山崎嵩弘氏(※「崎」は正しくは「立さき」)が出演する動画を公開。フィットクロスターカスタムのデザインでこだわったポイントを明らかにしました。
まず、近年ではアウトドア感の強いファッションアイテムの人気が都市部でも高まっていることがベースにあるとしたうえで、山崎氏はフィットクロスターカスタムのデザインについて次のようにコメントしています。
「都会でもかっこいいなって思えるような、そういうSUVにしたいという想いでデザインをさせていただきました。大きい流れとしては、ボディ部分はすごくシンプルにして、色もサンドカラーにしておしゃれ感を出しているという感じです。
ボディの下回りのカラーはすべて黒に統一して、よりしっかりと足回りや下回りを見せるようなデザインに仕上げました。
フェンダーアーチの所もグッと出して、地面をより踏みしめている感じを出しています。タイヤの方も、結構ラギットなものを選ばせていただきました」
山崎氏によると、フィットクロスターカスタムの世界感を演出する小物にもこだわったといいます。
ルーフキャリアに積載されたトランクは“ごつめ”なデザインのものを選んでいるほか、並んで展示するバイクとしてトレッキングバイクの「CT125・ハンターカブ」を選択。
CT125・ハンターカブとのコラボについては「見た目としては、パリッとしていてどこでも走れそうでかつ便利そうというところを、フィットクロスターのキャラクターと紐付けさせていただきました」と説明しています。
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今回、フィットクロスターカスタムを担当した山崎氏は2017年入社で現在4年目のデザイナーです。またバーチャルオートサロン2021で同時に公開された「N-VAN」のカスタムモデルのデザイナーも若手社員が担当しています。
若手デザイナーを起用した狙いに関して、本田技術研究所 デザインセンター クリエイティブダイレクターの岩城慎氏は次のように説明しています。
「彼らにとってちょっと責任が重いな、と思うところもあるかもしれませんが、あえて若い人にハツラツとやってもらうことで刺激を受けますし、『いまの若い人たちはこんなことがかっこいいと思っているんだ』という発見があります。
そのため、あまり上から『ああしろ、こうしろ』というのではなくて、彼らに『なにがやりたいの?』と聞いていきました。完成したデザインは本人たちの趣味が表れていて、これが彼らの好みという世界観ですよね。
若い人からどんどん提案してもらうことは(ホンダの)DNAですね。だから、なくならないと思います」
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都会的かつワイルドな雰囲気が漂うフィットクロスターカスタムのエッセンスが、今後登場するホンダ車にどのように取り入れられていくのか、期待せずにはいられません。
※誤字を修正しました(1月27日10時37分)。