「加速車線の先端で合流」しかできなくする物理的対策です。


一宮JCTの名神上り線。「ファスナー合流大作戦」により、合流部のラバーポールが延伸された(画像:NEXCO中日本)。

 NEXCO中日本は2020年2月27日(木)、名神高速に東海北陸道が接続する一宮JCT(愛知県一宮市)で2019年11月から実施している渋滞対策「ファスナー合流大作戦」について、その効果を取りまとめて発表しました。

 これは、東海北陸道から名神の上り線へ合流する地点において、加速車線と本線を隔てるラバーポールやゼブラ帯を延伸する形で、合流できる場所を物理的に「加速車線の先頭のみ」としたものです。ここでは、加速車線のいたるところから合流する車両により、名神上り線の流れが悪くなり、渋滞が発生していました。そこで、あたかも洋服のファスナーが閉じていくように、規則正しく1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」を促し、流れをスムーズにするために対策が実施されました。

 運用開始から2か月間の交通状況を前年同時期と比較した結果、交通量はほぼ横ばいであったにもかかわらず、名神と東海北陸道を合わせた渋滞による損失時間は約3割減少したといいます。また、渋滞区間の平均通過時間は、名神で約13分から約10分に短縮された一方、東海北陸道では変化がなかったそうです。

 NEXCO中日本は今回の対策について、一定の効果が確認されたとしています。一宮JCTでは、ファスナー合流の定着により、さらなる効果が期待できるとのこと。また今後、ほかのICやSAなどから本線へ合流する箇所への展開についても検討するとしています。